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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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大手企業への営業戦略と実践~持続的な事業成長に向けて~ 『エンタープライズセールス』出版記念イベント by SalesZine

2024年11月20日(水)15:00~17:10

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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営業×AI活用事例

若手も"熟練技"を実践できる 富士通の営業組織がプロセスの型化×AI活用で見せた効果

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  生成AIの登場により、営業の生産性向上や業務効率化にも可能性が広がっている。とはいえ、慣れ親しんだ既存の営業プロセスを大きく変え、新しいテクノロジーに頼ることは、多くの営業現場にとって容易ではないだろう。そんな中、富士通Japanのエンタープライズ領域を担う営業部門では、コンサルティング型のセールスプロセスを型化し、AIを活用することで、営業プロセスの変革に成功。営業マネージャーの金澤さんは「やる気概さえあれば、誰でも成果につながる」手法だと効果を語る。なぜ同社はAIを活用した変革を実現できたのか。同社の営業企画部のマネージャーである中山さんと、実際に営業現場でAIを活用する九州エリアの営業マネージャー金澤さん、そして富士通の社内IT部門のAIチームで従業員向けにAIを提供するマネージャー淺間さんの3名に、取り組みの詳細をうかがった。 

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リードセールスの型化とAI導入で「誰でも」実践可能に

左から金澤さん、中山さん、淺間さん

──今回の変革を進めるにあたって、貴社の営業組織がどのような課題を抱えていたのか教えていただけますか?

中山 2021年ごろから、富士通Japanとして狙う市場が変化し、ハードウェアを中心としたビジネスから、ソフトウェアやサービスを組み合わせて販売するビジネスへと大きく転換してきました。営業(同社ではビジネスプロデューサー、以下BP)が、お客様の経営課題解決に貢献できる提案をするためには、コンサルティング型のセールスプロセスが必要になります。

 私は営業企画の部署において、長年コンサルティング型のセールスプロセスの開発や現場実践を行ってきました。そこで今回、生成AIも取り入れた新しいプロセスを開発し、展開しています。

富士通Japan株式会社 ビジネストランスフォーメーション室 マネージャー 中山拓己さん

金澤 現場のマネージャーの視点では、変化についていけているメンバーとそうでないメンバーの差が大きいことが最大の課題でした。以前は「情報システム部門の担当者に対してサーバーを売る」営業をしていたところから、現在は経営層を含めた多様な役割の方と対面するようになり、幅広い知見が求められています。

 しかし、目標の規模が大きくなりスピードも求められる中では、メンバー育成の時間も限られます。AIを活用することで、うまくその差を埋めていこうとしているところです。

──そんな中、まずはAIを活用する前に「コンサルティング型アプローチの再定義」から変革をスタートされたとうかがっています。どのように進めたのでしょうか。

中山 エンタープライズセールスのプロセスを、前半の「リードセールス」、後半の「コアセールス」に分けて考えます。

 富士通のBPはコアセールスは得意であるものの、リードセールス側のプロセスは体系化されておらず、現場のいわゆる“才能がある人”に、新規獲得が任されていました。

 とはいえ、私の前職の富士通マーケティングでは、リードセールスのプロセスがある程度型化されており、専門の商談支援チームもありました。天才と言われるトップセールスの行動をひも解いた結果、ある程度プロセスを型化できたんです。この経験をベースに当社のエンタープライズセールスを言語化し、タスクに落とし込み、プロセスの型や資料テンプレートを作成しました。

 これにAIツールを組み合わせて現代版にアレンジし、現場のBPに取り組んでもらったところ、すぐに実践できたんです。

金澤 マネージャーの立場で良いと感じたのは、これまでなんとなくやっていたことが言語化・体系化されて、部下に伝わりやすくなったこと。メンバーはこうしたプロセスの型があれば自分で走り出すし、スキルを身につけて次につなげている様子です。

富士通Japan株式会社 CPS&Retail事業本部 第一流通事業部 第四ビジネス部 マネージャー 金澤亮さん

中山 リードセールスのプロセスは、3つのステップに型化しています。最初は「商談の発掘」、次にお客様の優先度の高い課題に対する「仮説提案」、最後に対面のキーマンだけでなく、お客様企業を巻き込んでいく「ワークショップの開催」です。

──プロセスが型化されたことで、とくに強化できてよかったポイントはありますか。

金澤 「仮説提案」は、これまでとくに弱かった部分です。仮説を立てるためのネタを集めることや、立てた仮説の確かさに不安があったんです。「ゼロイチ」のハードルは高いですよね。そこに適切なアプローチ方法を導入したことで、まず「それらしい」状態をつくることができたのが良かったと思います。

 また、最近は中途社員も増えており、育成の標準化にも難しさがあります。そんな中、別業種から中途で入社して半年しか立っていないBPが、一連のアプローチ方法を実践したところ、商談発掘から仮説提案にかけて、一人前のBPさながらのアウトプットを出しています。やる気概さえあれば、誰でも成果につながるということを実感しました。

中山 一方で、こういった新しいアプローチ方法とそのメリットを理解して現場に伝えられるマネージャーの存在も重要です。マネージャーへの理解の浸透が、これからの課題ではありますね。

次のページ
営業現場でのAI活用のヒント「Go-Teian」を作成

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この記事の著者

SalesZine編集部 宮田華江(セールスジンヘンシュウブ ミヤタハナエ)

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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岡田 果子(オカダカコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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