目指すゴールは売り手と買い手双方の幸せ
――SalesZineの読者に向けて、Sales Hubのイチオシ機能を紹介いただけますか。
安井 好きな機能はたくさんあるのですが、ひとつはお客様の動きをリアルタイムで追跡できる機能です。具体的にはメールの開封や文中のリンクをクリックしたかどうか、資料や動画の閲覧時間、閲覧ページまでリアルタイムでログが残るようになっています。常にお客様の動きを捉えながら、ベストタイミングでアプローチできる点が強みです。
ほかには、カレンダーアプリとHubSpotを連携することで、自分の予定の空いている時間から相手の都合の良い日時を選んで予約してもらえる「ミーティング設定機能」も便利です。これまでは候補日時をいくつか挙げて送り、合わなければまた別の候補日時を見繕って、という風に何度もやりとりを重ねる必要がありましたが、この機能によって営業活動の効率化が可能になります。
「ワークフロー機能」は、2週間後と決めていたフォローアップを忘れてしまったときや、優先順位を間違えてアプローチしてしまったときなどにアラートしてくれるので、営業活動の抜け漏れを防ぐことはもちろん、チームで動く仕事のルールをしっかり整備することができます。
――今後、拡充される予定の機能があれば教えてください。
安井 5月20日にABM関連機能をローンチしました。これまでHubSpotは買い手側の担当者個人を対象にしたインバウンドマーケティングや営業活動を支援する製品を提供してきました。今後は担当者だけでなく、部署や企業などより大きな単位に対してもインバウンド型のアプローチができるようになります。
伊田 製品やサービスの導入を検討する際、日本企業の多くはトップダウンではなく、現場の担当者、その上のマネジメント層、さらに上の経営層が全て合意して初めてゴーサインに至ると思います。興味関心度のスコアリングはHubSpotの得意分野なので、企業内の特定の「人」だけでなく、「組織全体としての『企業A』が御社に興味を持っています」というサインを出すことができるこの新機能は、日本式の意思決定プロセスにフィットしていると言えるのではないでしょうか。
――2019年12月に御社が発表された「日本の営業に関する意識・実態調査」の結果は、各方面から大きな反響がありました。インバウンドマーケティングおよびセールスの国内普及に貢献されてきた御社ですが、これから営業組織にどういう価値を提供されていきたいとお考えですか。
伊田 あの調査の中でとくに私の心に残った質問は、営業担当者に向けて聞いた「あなたの仕事の中でいちばん無駄が大きいと感じるところはどこですか?」というものです。もっとも多かったのは、会議や報告業務など、いわゆる社内の情報共有に関する回答でした。次いで多かった回答がアポのリスケや往来など、移動に関するもの。
これらの無駄の背景には、既存のCRMやSFAが、会社全体の活動量や案件数を把握する経営者やマネージャーのために存在してしまっているという問題が横たわっているように思います。本来、CRMやSFAの導入効果は現場で働く売り手と、その対となる買い手の関係が良くなることです。その双方が幸せになれる製品を今後も提供し続けたいです。
安井 効率的に事業を進めるため、テクノロジーに投資して何かを変えようとする企業が日本にはまだまだ少ないと感じています。足を使って数をこなすタフな営業スタイルがいまだに根強く残り続けている要因も、テクノロジーに対する意識の希薄さに根ざしていると思うので、私たちがHubSpot製品を活用し成功を体現することで、みなさんの意識を変えていきたいです。
――「すべては買い手の利益のために」を体現する御社の営業スタイルがもっと広まっていくと顧客はもちろん、営業組織にも良い働き方がもたらされるように思います。これからも楽しみにしています。ありがとうございました!
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