営業としてより高みを目指すなら、自分の身を置く環境選びから
新しい年が明け、仕事やキャリアについてどのような指針を立てただろうか。より高い目標を達成するためには、自分が身を置く環境を見直すこともひとつの重要なアクションだろう。
このタイミングで、営業スキルを磨くことができる会社に挑戦したい、そこで学びたいと考えるSalesZine読者も少なくないだろう。ならば候補のひとつとして、セールスフォース・ドットコムが挙げられるのではないか。盛り上がりを見せるSales Techの老舗企業であり、注目のインサイドセールス、セールス・イネーブルメントについては同社に学べと言われるほどである。業績の良さは言うまでもなく、2020年1月に発表されたオープンワーク社「働きがいのある企業ランキング2020」では第1位に輝き、チャレンジしやすい環境が整っている。
いち営業パーソンとしてもマネージャーとしてもより高みを目指す読者のために、セールスフォース・ドットコムで働くということ、得られるスキルについて、中小・ベンチャー向け営業部門を立ち上げ、現在も責任者を務める専務執行役員 コマーシャル営業 千葉弘崇さんに聞いた。
――志が高くとも、環境が原因で思うように成長できていない営業パーソンも少なくありません。今の日本の営業組織には、どのような課題があるとお考えですか?
先日お会いしたある社長様が、「営業の仕事は定義するのが難しい」というお悩みを過去に持っていた話を聞きました。特に中小企業においては、日本の営業パーソンはなんでもこなす「よろずや」になりがちです。お客様に接し、ビジネスを見つけ、仕事を獲得するだけでなく、見積もりを作り、問い合わせに答え、緊急の場合は自ら商品を配達するといった具合です。
本来であれば、お客様に伴走するのが営業の仕事でしょう。しかし営業が、本来の業務以外の多くのタスクを担っている状態では、生産性を上げることができません。その結果、企業全体の生産性が低くなっているところも少なくないのです。
営業が本来やるべきタスクを最適化し、それ以外のタスクは分業化して専門部署に任せ、チームとして連携していく。そうすることで、企業全体の生産性を上げることができます。営業が担っていた専門外の業務を、それぞれの専門家が担うことでサービス品質が上がり、顧客に満足していただけ、結果的に売上につながります。
――「よろずや」としてトータルにサポートする、つまりひとりの営業が必死に頑張ることで売上につながると思っていた時代もあったものの、実際はそうではないわけですね。
一時的に売上が上がれば良いわけではなく、永続して業績を伸ばし、会社を成長させていきたいわけです。重要なのは再現性です。ひとりの人間がたくさんのタスクを抱えていると、再現性を高めることは難しくなります。そうではなく、業務の棚卸しを行い、各工程において強いスキルセットを持った専門家に任せ、チームとして連携することで、継続的にサービスレベルを向上させることができます。その結果、自社の事業成長にも続いていくわけです。
それぞれの営業が目指すべき理想を持ち、各々努力している。それは素晴らしいことですが、間違った方向に努力しても良い結果は生まれません。成果につなげることで、お客様からの支持を得続けたいですよね。リップ・サービスでなく、「本当のカスタマーサクセス」を実現するためには、分業し、お客様と向き合う体制が必要なのです。セールスフォース・ドットコムは、お客様の部門間の連携を支援するだけでなく、自らの組織でも実現しています。
もうひとつ成功している企業の特徴として、従業員を大事にしていることがあります。従業員が快適に、自らの業務に集中できる環境を整えることで、営業であればお客様の声を聞き、期待以上の答えを考えて持っていくことが可能になります。結果として売上につながり、従業員へのリターンとして、給料を増やしたり、仕事へのやりがいや達成感を醸成したりすることができます。セールスフォース・ドットコムは、この循環についても本当に重要だと考えています。