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データで組織を強くし社会をより良いものに ウイングアーク1st久我さんが語る営業マネジメントと組織論

2019/10/28 07:00

 ウイングアーク1stへ新卒入社し、トップセールスとなった久我温紀さん。企画職、マーケティング、事業戦略などさまざまな部署を経験し、2019年9月、晴れて執行役員へ就任。いまも「セールスが大好き」でありながら、日本における旧態依然とした営業活動のありかたに疑問を呈し、テクノロジーやデータを活用した再現性のある営業を嗜好するという。そんな久我さんに、これからの営業職のあるべき姿や、営業マネージャーに必要な事業を見渡す視点、組織として大切にすべきことや、CRO(Chief Reveune Officer)という役割などを伺った。組織戦略と部下の教育のはざまで悩む、全営業マネージャー必読の記事である。

世の中を良くしないものは、売りたくない

――執行役員へのご就任おめでとうございます。営業時代はトップセールスだったと伺っています。経歴を改めて伺えますか。

新卒で翼システム(現ウイングアーク1st)に入社し営業職となり、5期連続トップセールスを達成して最年少の営業マネージャーになりました。営業組織の人数が100名ほどになったときに営業企画の立ち上げに参画し、事業部体制に移行した際に事業戦略の責任者を経験するなど、さまざまな部門を経験しました。その後、営業部門の成績が右肩下がりになったタイミングで営業部門へ戻り再建を担う任務を与えられ、結果として予算割れしていた6部門すべての予算達成を実現するすることができました。

営業組織再建のなかで、MA/SFAなどのツール導入やインサイドセールス部隊の立ち上げ、データマネジメントの定着化を行うことにより、単年度、翌年度までの予算達成が見通せるようになりました。次に、組織として大きな成長を遂げるためには直近の受注をつくるだけではなく自分たちの勝てるマーケットを見定め、中長期的な視点で潤沢なリード獲得を行う活動が重要であると考えました。事業部体制がなくなったことで事業の司令塔機能が失われていることにも危機感を覚え、マーケティング部門の強化・再編に乗り出し、いまはそこに注力しています。

 
ウイングアーク1st株式会社 執行役員 マーケティング統括部 統括部長 久我温紀さん

――アートに、感覚に頼る営業も多いイメージのあるトップセールスですが、久我さんの目は事業戦略やマーケティング、組織づくりへ向いているように思います。なぜでしょうか。

営業にはいろいろなタイプがあると思います。たとえば、自分の実力がどこまで通用するのか発揮してみたいタイプ。実は僕にもそういう興味はあります。ただ昔から「事業を通じて社会の発展に強く関わりたい」という気持ちのほうが強いんです。そうなると、ひとりでできることには限界があるし、組織で動いたほうがより大きく世の中を動かすことができるだろうと思っています。

そのため「トップセールスになること」は目標だったわけではありません。営業をやるからにはその能力を測るためにも目指すべきで、そこからしか見えない景色があるのではないかと考えていましたが、通過点として捉えていました。新人研修で、傘を売る機会がありダントツの成績で1位になったことがあったのですが、ほかの人と差がついたのはマーケティング的な発想があったからだと思います。

研修期間のある日、朝出社すると急に「傘を売ってこい!」と言われました。「君たちは亀戸ね」というふうに全員エリアも指定されます。直後に、みんな急いでとにかく外へ傘を売りに出ていきましたが、その日雨は降っていません。傘に強い需要はなく、押し売りでは成果は出ないのではないかと僕は思いました。押し売りはバリューフィットがない状態なので、顧客への訴求にパワーがかかるし、そこに大義もないです。まず誰が商品のお客様になり得るかを考えたほうが良いと思ったのです。

販売できる傘の種類を見ていると、子ども用のピカチュウの柄が入った傘があり「これは売れるんじゃないか」と感じました。父親・母親であれば、子ども用の傘はすでに持っていますよね。ユーザーである子どもは購買力がなく買えない。ではどうしたか。当時ポケモンが流行っていたので「この傘をお孫さんへのプレゼントでどうですか?」という文句でおじいちゃん・おばあちゃん向けに提案したら、めちゃくちゃ売れまして。WIN-WINなセールスだと思いましたし、お孫さんにプレゼントするときの場面を想像し、僕も嬉しくなりました。

基本的には事業を通じて世の中に貢献できるもの以外は売りたくないです。注力すれば、どんなものでも売ることはできると思いますが、売ることは目的ではありません。事業が持つビジョンを達成するための手段がセールスだと考えています。

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