若手営業にスペシャリティはあるのか?
このようなお話をしていると若手営業の方から、「私には向井さんのような営業経験がまだありません。発信もですし、お客様との関係構築においても、どのような情報が提供できるのかわかりません」と質問されることがあります。
この質問をもらうとき、私はいつもこう答えています。「若さは特権である」と。大きくふたつの価値があると思っています。
ひとつめは、「若さゆえの情報に価値がある」点です。年長者にとって、20代の生活、趣味嗜好、流行は貴重な情報源であり、あなたの何気ない経験がそのままお客様のビジネスのヒントになることがあります。
ふたつめは、「なんでも聞ける権利」を最大限に使えることです。もちろん、学びと仮説を持って商談に臨むのは大前提ですが、若さゆえの謙虚な姿勢で良い意味で無邪気に質問することは、むしろ相手の心を開き、お客様から知見を引き出すことにつながります。

新規営業であればとくに関係構築は難しいものです。自分のユニークな経験や背景を恐れず開示し、お客様との信頼関係を築くための強力な道具として活用してください。
私のクライアントでは、転職後に営業経験の浅さをネガティブに捉えていた方がいたのですが、ヒアリングするうちに過去のキャリアの中で教員経験があることがわかりました。教員から一般企業の営業に転職する方はなかなか多くないですよね。ぜひお客様にも話してみて、とお伝えしたところ、やはりお客様も興味を持ってくださったようです。
それだけでなく、信用度が高まり、会話が盛り上がるようにもなったと聞いています。このように、自分ではネガティブだと思っていた経験も、「ユニークなスペシャリティ」になり得るのです。
