なぜ、いま日本でパートナーセールスが注目されるのか
井上(パートナープロップ) パートナープロップの代表を務めています。今日はパートナーセールスの難しさやトレンドを梅木さんと議論できればと思うのですが、まずは梅木さんのパートナーセールスとのかかわり方について教えてください。

梅木(電通B2Bイニシアティブ) われわれは電通グループ16社横断でBtoB企業の事業成長を支援しているのですが、顧客と向き合うなかで自然とパートナーセールス領域も支援する機会が増えています。というのもBtoB企業では、「間接販売」が多いんですよね。つくることに特化してきた製造業ではとくにそのような商流が目立ちます。また昨今、SaaSビジネスでは、スピーディーな成長を目指してパートナーセールスに取り組む企業も増えています。
企業のマーケティングを長く支援してきているので、パートナー向けのマーケティングに関する相談は昔からよくもらっていたものの、2024年はその相談もとくに増えていて大きな波が来た印象があります。
井上 メーカーもSaaSも新しいものをつくる、新たな販路を見つけたいという点は共通していて、パートナーマーケティングのみならず、パートナーセールスに注力する必要性も高まっているんですね。
梅木 まさに。たとえば、自動車メーカーに部品を提供してきたメーカーでは新規事業が盛んです。なぜかと言うと、電気自動車の登場によって必要な部品が大幅に少なくなる可能性が出てきているから。決まった販売ルートがあり、そこに対してモノをつくっていた企業が、新しいモノをつくり、新たな販売網で売らなければならなくなっています。そんなときに、直販のルートを持っていない企業は、間接販売のルートを探しますよね。このような業界構造の変化が、製造業はもちろんさまざまな業界で起こると思います。

株式会社電通 第8マーケティング局 B2Bマーケティングコンサルティング部 マーケティングコンサルタント/電通B2Bイニシアティブ 共同代表 梅木俊成さん
梅木 そして、メーカー側は販売パートナーがどのように売っているのか、顧客からどんな声があるのか、そういったことを収集してプロダクトの改善に活かしたい。または、どれくらいのマーケティング投資が必要かという情報も得たいと考えています。
そのようにメーカー側からのパートナーセールスに対する需要が高まる一方、売る側としては、売れるものしか売りたくないですよね(笑)。ノウハウが詰まっていてわかりやすいもの、利回りがいいもの。ソフトウェアであれば、運用保守やサポートが充実しているものなど。このサポート体制は案外重要で、メーカー側もしくは代理店側にその体制がないと結局お客様からクレームが来てしまいますからね。