パートナーの「オンボーディング」を再定義 テックタッチとハイタッチで活動を最大化する
──パートナーセールスを軌道に乗せるうえで、「パートナーのオンボーディング(導入支援)」が重要になります。具体的にどのような施策を進められたのでしょうか。
和久井 私たちは、、PRMベンダーの知見を参考にパートナー様の活動を「リクルート」「オンボーディング」「アクティベート」「リテンション」というフェーズで捉えました。まず着手したのが「オンボーディング」の定義です。私たちは、PRMツール内で提供している営業向けとエンジニア向けのウェブテストに合格し、知識を習得していただくことをひとつの基準としました。
しかし、ただコンテンツを用意するだけでは、パートナー様は動いてくれません。。現状多くのパートナー様はインバウンドでのご加入であり、加入条件のハードルはそこまで高くはないため、必ずしもアクティブな方ばかりではないのが実情です。
そこで、いつでも学べるeラーニングコンテンツや「さくらのクラウド検定」などを充実させ、能動的に学べる環境を整えました。

──パートナー様に能動的に動いてもらうための工夫が重要ですね。とくに効果的だった施策はありますか?
和久井 もっとも反応が良かったのは、インセンティブキャンペーンです。当初、ウェブテスト合格者の中から抽選でデジタルギフトを進呈するキャンペーンを行ったのですが、思うように受験者が伸びませんでした。
そこで、「合格者全員に必ず進呈する」という“確約型”のキャンペーンに切り替えたところ、数字が一気に跳ね上がったんです。パートナー様にとっては、確実なメリットがあるほうが行動に移しやすいのだと改めて実感しました。
高木 加えて、ツールを活用したテックタッチなアプローチだけでなく、当社の営業担当者によるハイタッチなフォローも欠かせません。PRMツールによって、パートナー企業様単位だけでなく、所属する担当者個人の活動状況も見えるようになったのは大きな進歩です。
以前は代表者の方にしか連絡できませんでしたが、現場の担当者様へダイレクトに情報をお届けできるようになったことで、関係性が深まりました。営業担当が「〇〇さん、あと少しでテスト合格ですね」といった個別の声がけをすることで、パートナー様のモチベーションを引き出し、活動を後押ししています。この両輪を回していくことが、成果の最大化につながると感じています。

──パートナー様のモチベーションを高め続けるために、ほかに意識されていることはありますか?
高木 パートナーランク制度を設けており、ランクに応じて仕切り率や弊社からの営業面、技術面の支援項目を用意しています。しかし、これが本当にパートナー様のモチベーションにつながっているのか、評価は適正なのか、ということは常に議論しています。自発的に「次のランクを目指したい」と思っていただけるような、強い動機付けとなる価値提供ができているか、というのは今後の課題ですね。
仕切り率や弊社からの営業面、技術面の支援項目