「惜しかった商談」はナレッジの宝庫 自社独自の指標を見つける
これまでの3項目を経て行うのが、Planのフェーズ。Actionまでの結果をスクリプトや資料に反映させ、「型」化していくフェーズだ。
「おすすめは『惜しかった商談』を型化することです。失注したものの、スキルを改善すれば結果が変わっていたかもしれない。そういった事例を週1回程度で振り返り、カウンタートークの引き出しを増やすなど改善点を見つけ、再現性の高い『型』にすることで、受注につなげていけるでしょう」(疋田氏)

「型」化で重要なのは、トピックだと疋田氏。たとえば、うまくいった商談では必ず「予算」の話をしていたり、逆に失注した商談では「競合比較」に話題が偏っていたり、「予算」まで踏み込めていなかったりといった傾向が見られる。
「こういった傾向が数値として出てくるので、仮説を立てつつ、成功した商談に近づけながら『型』をつくっていきます。どうすれば次につながったのか、次につなげるにはどういった話題に力を入れるべきだったのかを固めていく作業です」(疋田氏)
成果を出した商談の中に頻出するキーワードも見えてくるという。たとえば「ご一緒に」「よろしければ」などという言葉をスクリプトに組み込んだ際に、成功パターンが多かったのなら、自社の型に盛り込んでいけば良いだろう。また、どのタイミングで出てきたのかも確認しながら、反映させていくことが重要だという。
相手と自分のトーク比率や話すスピード、かぶりの回数、沈黙の多さ、抑揚といった指標も、自社にとっての「ベスト」を見つけていく材料になる。
「私たちも『型』として基準となる数値を決めてはいますが、たとえばインサイドセールスの商談とフィールドセールスの商談でも、どの数値がベストかは異なります。そのため、まずは自社でデータを蓄積して、そのデータを基に独自の基準をつくることをおすすめしています」(疋田氏)

「MiiTel」を活用した営業活動の改善ステップについて、「Doで工数を削減し、Checkでデータを基にファクトを考察。Actionで具体的なフィードバックをし、明確な改善ポイントの共通認識を持つ。最後にPlanで型化し、チームのナレッジとして共有する」とまとめた疋田氏。このPDCAを回すことで、営業の再現性と成果は「格段に高まる」と断言する。

AIと音声解析を活用することで、感覚に頼らない営業活動を実現する「MiiTel」。これからも、“音声×AI”によるセールスイネーブルメントの牽引に期待が寄せられる。