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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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to be ONE TEAM ともに「売上」をつくるマーケティングとセールス

2024年10月16日(水)13:00~17:35

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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新時代の営業術「インテントセールス」(AD)

[小笠原氏×向井氏]データ取得だけでは意味がない 真の顧客起点を実現する「インテントセールス」の本質

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 デジタル技術の進化により、顧客の行動データを詳細に把握できる時代となった。しかし、それだけで真の顧客起点の営業は実現できるのだろうか。今回、2024年8月29日に『インテントセールス 米国企業の6割が実践する興味関心[インテント]データを活用して売上を伸ばし続けるための最先端モデル』(翔泳社)が発売されることを受け、同書の著者であり株式会社Sales Marker CEOの小笠原羽恭氏と、長年企業の営業改革に携わってきたウェルディレクション合同会社 CEOの向井俊介氏が対談を実施した。おふたりの話から見えてきたのは、トップセールスにとってはあたりまえだった「顧客起点・顧客視点の営業」が、「インテントセールス」の実践により、多くの営業パーソンに実装されていくこと。真の顧客起点とこれからの営業パーソンに求められるスキルについて、テクノロジー時代における営業の本質に迫りながら「インテントセールス」という新たなアプローチの可能性を探る。

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営業に「顧客視点」が必要なワケ

──書籍『インテントセールス 米国企業の6割が実践する興味関心[インテント]データを活用して売上を伸ばし続けるための最先端モデル』のインタビューにおいて、向井さんは「顧客視点」の営業に求められる考え方についてお話しされています。改めて、なぜ営業には顧客視点が重要なのでしょうか。

向井(ウェルディレクション) 大前提として商売には売り手と買い手が存在するため、売り手が「買い手が何をもって購買するのか」を知らずして、良いコミュニケーションと良い商売のプロセスは設計できません。売り手には「そもそもなぜ顧客は購買するのか」という問いを立てて欲しいんです。

 とくにBtoBにおいては、売ること/買うことを目的にした購買活動は原則ありえないんですよ。なぜなら法人、とくに営利企業は「利益を出すことで社会に貢献する」という経済合理性を追求する組織体だからです。「継続的に利益を出す」という目的を達成するにあたり、自社のアセットだけでは足りない場合、外部から課題解決の方法を購買します。つまり、顧客にとって「買うこと」は手段であり、目的ではないんです。

 そのため、営業も「売ること」を目的にしてはいけません。売ることを目的とした活動を私は「販売活動」と呼んでいます。売ることはあくまで手段であり、目的はお客様の問題を解決すること。そのために行うすべての活動を「営業活動」ととらえてほしいんです。

ウェルディレクション合同会社 CEO 向井俊介氏

小笠原(Sales Marker) 顧客の問題解決を軸に据えることで、単なる販売活動ではなく、真の意味での営業活動ができるようになるということですね。

向井 そうです。お客様と問題や目的を共有し、自社の商品が問題解決に役立つと合理的に説明できる状態になったとき、初めて売る。このような構造でビジネスを行う必要があるから、営業には「顧客視点」が重要となるのです。

──Sales Markerが提唱するインテントセールスは、向井さんがおっしゃる「営業活動」を実現できると理解して良いでしょうか?

小笠原 そのとおりです。インテントセールスでは、営業が売りたいものを売りたいときに売るのではなく、顧客が必要とするものを顧客のタイミングで提案します。まさに、顧客視点を持った営業による、顧客を起点とした「営業活動」と言えるでしょう。

──「顧客視点」を持った営業による「顧客起点」とおっしゃいましたが、そのふたつの違いをうかがえますでしょうか。

小笠原 顧客視点は、顧客の立場に立ってみて、顧客が何を求めているのか、どのような問題に直面しているのかを仮説立て、それに基づいて提案を行います。一方、顧客起点は、インテントデータなどを取得することで可視化できる「顧客が実際に起こしている行動」を基に、顧客が実際に必要としているものを提供するアプローチです。

 これは「インテントセールス」というものです。顧客を起点とした営業活動、つまりインテントセールスとは、実は、ビジネス全体の活動や戦略を「実際の顧客のインテント(購買意図をともなう行動)」を中心に設計し、顧客の価値を最大化することで自社・顧客両方の事業を持続的に成長させていく新たなビジネスの仕組みです。

[2024年8月29日発売]ただいま予約受付中!

インテントセールス 米国企業の6割が実践する興味関心[インテント]データを活用して売上を伸ばし続けるための最先端モデル(MarkeZine BOOKS)

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インテントセールス
米国企業の6割が実践する興味関心[インテント]データを活用して売上を伸ばし続けるための最先端モデル

著者:小笠原羽恭
発売日:2024年8月29日(木)
定価:1,980円(本体1,800円+税10%)

インテントデータを取得するだけでは意味がない?

──改めて、インテントセールスの具体的な内容について教えていただけますか?

小笠原 インテントセールスとは、企業の検索行動からわかるニーズに基づき顧客起点で行う新時代の営業手法です。そのインテントセールスを成功させるために、「1.ニーズに基づいて企業をターゲティング」「2.部署・人物ターゲットを選定」「3.ニーズに合わせた訴求内容を作成」「4.マルチチャネルアプローチ」という4つのポイントを実施することが必要になります。

 その実践を3つの構成要素に落とし込んだのが「インテントホイール」。顧客のニーズ発生を検知する「インテントシグナル」、顧客が欲しいと思ったタイミングでアプローチする「インテントアプローチ」、ブランド認知施策やPR施策で顧客のインテント(興味関心)を引き出す「インテントジェネレーション」と、顧客起点でサイクルを回し、持続可能な売上を生み出します。

──インテントセールスでは、ウェブの検索行動をはじめとしたインテントデータを活用しています。顧客起点の営業を実現するには、インテントデータを取得すれば問題ないのでしょうか。

小笠原 インテントデータがあるだけで自社の営業活動がガラリと変わると勘違いしている方は多いですね。しかし残念ながら、インテントデータがあるだけでは、顧客起点の営業手法であるインテントセールスは実現しません。インテントデータから顧客のニーズや欲しいタイミングを検知できたとしても、どの企業に対しても同じ商品説明や提案を繰り返しては意味がないからです。

向井 アプローチが通り一辺倒になってしまいがちなのは、やはり、売ることを目的にしているからだと思います。自社プロダクトのバリュー・プロポジションを軸に、自社が得意とする領域で売ろうとする結果、資料や提案内容も一律化してしまうのではないか。インテントセールスで言えば、「2.部署・人物ターゲットを選定」「3.ニーズに合わせた訴求内容を作成」のステップが欠けている状態です。

小笠原 まさに。インテントセールスにおいても、重要なのはインテントデータの有無ではなく、1社1社が抱える課題やキーパーソンの関心に合わせてアプローチを変えること。実際、顧客のニーズに合わせたアプローチへ変えたことで、月間の商談獲得数が1、2件から170件へと大幅に増加したケースもあります。

 この事例では、当初はとにかく、自社サービスのニーズにつながりそうなキーワードが検索されたら代表電話に電話し、テンプレどおりのセールストークで断られるという状況でした。そこで、検索しているキーワードから「企業の中の、どのような立場の、どのような役割の人が、どのような課題を抱えているのか」をイメージしてターゲットとトークスクリプトを調整しました。そのうえで、部署の直通電話や、担当者と思われる人へ名指しでアプローチするようになったことで成果が出たのです。

株式会社Sales Marker CEO 小笠原羽恭氏

「検索キーワード=顧客の課題」ではない?

向井 検索キーワードについては、医者と患者にたとえるとわかりやすいと思います。頭痛を訴える患者に対して、医者が頭痛という「問題」の発生原因を明確にせずに「うちは外科が強いので、手術しましょう」と提案したら、患者は納得しますか? という話です。

小笠原 わかりやすいたとえですね。「頭痛 原因」「頭痛 治し方」などの検索履歴から、頭痛という「問題」を抱えていて、そのソリューションを探しているとわかるのは「インテントシグナル」にあたる部分ですね。ただし、その患者に対して「当院は外科手術が得意な医師がそろっているので、手術しませんか?」と医者都合で提案するのではなく、「頭痛の原因は外科的・内科的・心療内科的などさまざまです。当院は頭痛の専門外来がありますので、診察にきませんか?」とアプローチし、さらに、診察の結果から最適なソリューションを提案できる営業でないといけませんよね。

 一方、「脳外科 特化」など明確に「脳外科手術」というソリューションを求めている検索行動をとらえたら外科の訴求を、「肩こり 頭痛」という検索行動をとらえたら「肩こりの外来」を提案するというふうに、検索しているキーワードから特定のソリューションに対するニーズが顕在化していることがわかる場合は、そのソリューションを提案すべきでしょう。

 インテントセールスでは、検索しているキーワードからお客様の状況を推測して適切なアプローチを行うことができます。しかし、検索されているキーワードを無視して自社が売りたいものを提案してしまう、つまり「2.部署・人物ターゲットを選定」「3.ニーズに合わせた訴求内容を作成」のステップが欠けていると成果につながらないというのは、まさにこういうことですね。

向井 多くの場合、企業の担当者は自社の問題はわかっていても、その原因までは特定・言語化できず困っています。だからウェブで検索するのですが、その際の検索キーワードは「売上があがらない 原因」など漠然としがちです。なので、インテントデータがあっても、お客様の「問題特定」には、まだまだ人が介入しなければなりません。

 しかし、仮説を立てやすくなるという点では、やはりインテントデータは営業の良い味方となってくれるでしょう。お客様の顕在的な興味はどこにあり、どのような問題意識を持っていそうか。トップセールスが自らの経験を基に探り当ててきたことが、誰でもわかるようになります。

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インテントセールス 米国企業の6割が実践する興味関心[インテント]データを活用して売上を伸ばし続けるための最先端モデル(MarkeZine BOOKS)

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インテントセールス
米国企業の6割が実践する興味関心[インテント]データを活用して売上を伸ばし続けるための最先端モデル

著者:小笠原羽恭
発売日:2024年8月29日(木)
定価:1,980円(本体1,800円+税10%)

ツールがあと押しする領域、人が価値を発揮する領域

──データやツールがあと押しする領域と、人が取り組むべき領域があるということですね。Sales Markerでは、その点をどのように支援しているのでしょうか。

小笠原 我々が提供するインテントセールスSaaS「Sales Marker」のユーザー企業でも、導入1ヵ月で商談数が10倍になった企業もいれば、3ヵ月経っても変わらない企業もいました。その違いを分析し、成果を出す必須項目として落とし込んだのがインテントセールスの4つのポイントです。このポイントの実現をインテントセールスコンサルタント(ISC)が支援しています。

 たとえば「3.ニーズに合わせた訴求内容を作成」では、自社の商品説明が1パターンしかないという企業が多いんですね。そこでISCのサポートのもと、競合他社や自社の提供価値、顧客の課題を起点とした競合優位性の定義といった「インテントホイール戦略」をユーザー企業がターゲットとする企業1社1社に作成することで、アプローチの精度を高めています。

 ちなみに、インテントセールスの実践をきっかけに、顧客起点でアクションする組織文化が醸成された結果、マーケティング・セールス活動全体の精度が高まったという話もよく聞きます。このような副次的な効果も期待できるのは、データやツールを提供するだけでなく、人(ISC)による、人への支援があったからこそですね。

「顧客起点の営業」の理解を助ける1冊に

──今後の営業のあり方について、おふたりのお考えをお聞かせください。

小笠原 インテントセールスを実現した先には、営業がお客様から「自社の課題について非常に理解が深まりました」と感謝されるようになるのではないでしょうか。これまでもトップセールスはできていたのかもしれませんが、インテントセールスにより、より多くの営業パーソンが実践できるようになります。そうなることで、営業がお客様から歓迎される世界になっていくと考えています。

向井 繰り返しになりますが、お客様は自社でどのような問題が起こっているかはわかっていても、その原因がわからずに困っています。私が今後の営業に期待したいのは、問題の原因特定の領域へ介在すること。そのためには、お客様の業務やビジネスへの理解を深め、広い視野でお客様へ問いを重ねていかなければなりません。これを理解すれば、自ずと「売ることは手段のひとつでしかない」ということがわかってくるでしょう。お客様の問題解決をサポートする活動すべてが「営業活動」ととらえ、今後の活動に活かしていただけると嬉しいですね。

──顧客起点の営業の実現をあと押しする活動のひとつとして、小笠原さんが執筆された書籍『インテントセールス』が刊行されます。これから書籍を読み、インテントセールスの実現に挑戦する読者の皆様へメッセージをお願いします。

小笠原 営業活動をつらいと感じている方、セールス・マーケティング活動がうまくいかずに困っている企業様に日々お会いしています。本書で解説するインテントセールスの概念や事例は、その課題に向き合う際のヒントになるのではないでしょうか。

 この書籍を通じて、インテントセールスという新しい営業手法を知っていただくだけでなく、顧客起点で営業するとはどういうことか、理解を深めていただければ幸いです。

向井 お客様もありとあらゆる情報にリーチできる時代、オンライン上での行動を基に、お客様の関心や課題について仮説を立てやすくなりました。とはいえ、最初は想像するしかありません。お客様と会話しながら、問題解決に向けたプロセスをともに歩んでいくことが求められていくでしょう。

 その中では、お客様が持つ情報量を把握して手を差し伸べるべき範囲を検討する必要がありますが、この点は、まさにインテントデータのようなソリューションでショートカットできます。営業のパフォーマンスを左右する「仮説立案」や「リサーチ」の強い味方になる領域だと期待しつつ、人間ならではの価値を提供するためのヒントを得る1冊として、手に取っていただけると良いのではないでしょうか。

小笠原 今の時代におけるデータやAI、テクノロジーの活用方法だけではなく、人間的な顧客起点でどのように営業をするべきかを学んでいただける内容になっています。書店やオンラインショップでお求めいただけますので、ぜひチェックしてください。

──『インテントセールス』が多くの人に届くのが、今からとても楽しみです! 本日はありがとうございました。

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インテントセールス 米国企業の6割が実践する興味関心[インテント]データを活用して売上を伸ばし続けるための最先端モデル(MarkeZine BOOKS)

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インテントセールス
米国企業の6割が実践する興味関心[インテント]データを活用して売上を伸ばし続けるための最先端モデル

著者:小笠原羽恭
発売日:2024年8月29日(木)
定価:1,980円(本体1,800円+税10%)

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