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営業の仕事は「売る」ことなのか? 「Buyer Enablment」をめぐる冒険

2024年7月12日(金)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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営業はもっとも尊い仕事──BUDDICA・中野さんに聞く、営業とマネジメントの本質


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 2023年夏、大手中古車販売会社の不祥事が世間を震撼させた。顧客の車を故意に傷つけるなどして、保険金を不正に請求していた事案までもが明るみになった。普通に働いていたのでは到底達成できない目標が現場を追い詰め、麻痺させてしまった側面もあっただろう。今回編集部では、かつて大手中古車販売会社で未経験ながら全国トップとなり、本部まで上り詰めた中野優作さんにインタビューを実施。「正直に売る」ことを大切に、中古車販売ブランド「BUDDICA(バディカ)」を立ち上げた中野さんに、営業の醍醐味やマネジメントへの思い入れ、そして「新しい売り方」を体現するオンラインの中古車販売プラットフォーム「BUDDICA・DIRECT」についてお話を聞いた。

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お客様と「向き」合わなければ、クロージングは不要

──『クラクションを鳴らせ!』(幻冬舎)も拝読しました。営業にかかわるすべての人が明日から頑張ろうと気力をもらえるような、熱くて優しい本だなと。今日は書籍には書いていない中野さんの営業経験や、「これからの売る」を体現するBUDDCA・DIRECTについてお話を聞いていきます。26歳で中古車販売業界へ飛び込み、「すべてを賭ける」気持ちで営業に取り組まれてきた中野さんが、営業職を志したきっかけからうかがえますか。

「金持ちになりたかった」のがいちばんの理由ですね。土木の作業員として、監督を目指して働いていました。監督になってからは自分がもっとも売り上げているし、仕事のスピードも速い自負がありましたが、組織は年功序列。強烈な不満があり、社長に直談判したところ、給与をマックスまで上げてもらえたんです。それでも、「これだけか」と。

とはいえ高校中退・中卒の自分に選択肢はないと思っていたときに、偶然知り合いに誘ってもらい、中古車販売の仕事に就くことになりました。ずっと羨ましかった「スーツを着る営業」になれたんです。「きついけど、やった分稼げる仕事」に就けるのは楽しみでしたね。

株式会社BUDDICA 代表取締役 中野優作さん
1982年3月香川県さぬき市生まれ。16歳で高校を中退し土木作業員へ。2008年10月ビッグモーターに入社。2017年5月に退職し、同月、BUDDICAを設立。2018年4月に法人化、代表取締役に就任。最大手業販サイト、オートサーバーで「5ツ星認定」を受け、21年度「販売台数ナンバー1」(全国会員7万社中)に。四国における販売台数において、2021年度 ナンバー1(※東京商工リサーチ調べ)。香川の3店舗に加え、兵庫県、岡山県、千葉県、福岡県に出店中。2024年1月に車のEC「BUDDICA・DIRECT」をローンチ。YouTube登録者計33万人。著書に『クラクションを鳴らせ!』(幻冬舎)。

──未経験ながら入社1年後に全国トップになり、その半年後には店長に。「教えられたとおりに取り組んでもうまくいかなかった」と著書には書かれていましたが、どのように営業スキルを高めていったのですか。

「熱意で売れる」「お客様を帰すな」と教えられて(笑)。「情熱研修」なんてものもあったくらいです。ただ、トップセールスを観察すると誰もそんなことをやっていないんですよ。むしろ真逆のことをしている。「買ってくれ」なんて言わないわけです。トップセールスを研究するうちに、「お客様が自分で選ぶ」ことが重要だとわかってきました。

大きさや走行距離、さまざま要素からお客様が自分好みの車を見つけていく。その過程をサポートしていると、当然お客様のテンションが上がっていく。最後の1台にたどり着けばクロージングは不要です。「自分で選び抜いたものを、売れないうちに買いたい」とお客様自身が思うんですね。

──「クロージング不要論」は書籍の中でもとても印象的でした。とはいえ、初対面~クロージングに至るまでの商談のステップの中で、お客様に対していろいろと「提案」したくなる営業も多いのかなと感じます。どうすれば良いでしょう。

とにかく「向き合わない」ことです。「二流」の営業ほど、お客様と「向き」合って言いくるめるんですね。まるで綱引きのようにお客様と押し引きをするスタイルは気持ち悪い。大切なのは、お客様の隣で同じ未来をともに見ること。そのスタイルで商談をしていると、「スペックに詳しい車のプロ」ではなく、「ライフスタイルのアドバイザー」として相談をされる瞬間がやってくるんですよ。それは、お客様が自分を信用してくれている証で、そうなれば今日ではないとしても自分から買うことが決まったな、と思えます。

──その境地にたどり着くきっかけとなる商談があったのでしょうか。

書籍に書いていないのですが、入社2ヵ月めにあるお客様の接客をしているときに気がつきました。僕が商談しているお客様と、先輩が商談をしているお客様が偶然1台の車の前で鉢合わせたんですよ。僕の商談は開始して10分くらいでした。

冗談で、先輩と先輩のお客様に「この車は僕のお客様が購入するのでダメですよ」と言ってみたんです。それに対して先輩のお客様が「私が買いますよ」と返した瞬間に、僕のお客様の顔色が変わって、購入のスイッチが入ったんですね。「まだ検討し始めたばかりなのに、そんなに急いで買うことはないですよ」と伝えても、僕のお客様はいつの間にか「買いたい」モードに入っている。このときに、これが「商談」かと思いました。

このケースでは僕は勧めていないけど、突然ライバルが現れて、お客様が「買いたい」という気持ちになりました。いろいろなトリガーはありますが、「お客様自身が買おうという気持ちになるためにどうすべきか」を追求していったんです。ちなみに、この2名のお客様は僕と先輩がそれぞれちゃんと対応して、車を買うことができました。

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お客様の数が積み上がる 自ら数字を追う営業の楽しさ

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SalesZine編集部 宮田華江(セールスジンヘンシュウブ ミヤタハナエ)

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