価値観を変えた「営業の仕組み化」との出会い
──BtoBセールスとして、どのようなキャリアを歩んできたのか教えてください。
最初は官公庁や大学を相手にするインフラやサーバーの会社で営業のキャリアをスタートしました。飛び込み営業も結構やっていましたね。その次はアプリケーションレイヤーのSIerでソリューション営業に携わりました。その後、アプリケーションの中でも広告やウェブマーケティングの会社で集客からページ改善業務までを経験し、現在に至ります。IT業界でインフラからフロントまですべてを経験することができたのは非常に良かったと思っています。必要なインフラがわかったり、SIer時代に得られた要件策定スキルが開発者との会話で役立ったりするため、お客様からうらやましがられることもありますね。
──IT業界で豊富な営業経験を積んでこられたのですね。営業職としてのやりがいを感じた経験や苦労した経験について教えてください。
やりがいを感じた印象的な出来事は、ファーストキャリアのネットワーク系の会社で大きな受注をいただいたことです。電話で飛び込み営業をした新規のクライアントで、自社の実績は何もなく、競合も有名な企業ばかり。そんな中、足しげくクライアントのもとに通いコミュニケーションを重ねたことで、私個人を信頼していただき受注できたのはとてもうれしかったですね。
苦労したことは、「商談時に打ち合わせていたことが実現できなかった」などのトラブルへの対応です。社内で代替案を考えてもどうにもならないときは、おわびして金額を下げるなどの対応が必要になりますが、もちろんそこも営業の仕事。どんなトラブルが起きても、最後はきれいに終わらせることを常に大切にしていました。そうすれば、またいつかお仕事でご一緒できるかもしれないからです。
──常にクライアントとの信頼関係を大切にしながら営業活動をされてきたことがうかがえます。一方で、現在は営業マネージャーとして「営業の仕組み化」に注力しているとのことですが、その背景についてお聞かせください。
私が営業の仕組み化の重要性を知ったのは、30代後半くらいのころ、テレアポ業務に携わっていたときのことでした。アポをとれる人ととれない人の差が大きかったのですが、当時はとれない人に対して「とれる人の真似をすればいいのに」くらいにしか思ってなかったんです。しかし、あるとき「ACSTRAの法則」(※)というテレアポ営業のトークマニュアルを実践したところ、100件電話して1件もとれなかった人が、10件に1件とれるようになったのです。あれはかなり衝撃でしたね。営業活動を仕組み化することで成果に直結することを実感しました。
※「ACSTRAの法則」とは、Accept代表の赤嶺哲也氏が100種類以上のテレアポトークの検証と改善を繰り返してつくったテレアポトークマニュアル。(参照:「営業研修プログラムの選び方」(Accept))。