できる人の“言葉”と“立ち振る舞い”を真似する
ダメ営業スタッフ時代、半分遊びでトップ営業スタッフの真似をしたことがあった。ハウスメーカーの営業をしていた私はモデルハウスでお客様を接客していた。来店してきたお客様に対して“トップ営業スタッフの先輩風”で受け答えしてみることにした。
するとどうだろう。お客様は帰り際、ダメ営業スタッフの私に対して「菊原さんは優秀なんでしょうね」と言ったのだ。
これには驚いた。なにしろ、クビ寸前のダメ営業スタッフだったのだから。
このお客様はトップ営業スタッフを演じた私を見て「できる営業スタッフだ」と判断した。このお客様だけたまたま上手くいったのかとも思ったが、その後も「できる営業スタッフを演じる」を続けたところ、お客様の反応は非常に良かった。実はこれがヒントとなり、その後私は本当にトップ営業になった。
その後、演じることにハマった。そのトップ営業の先輩の話し方や立ち振る舞いはもちろんのこと、先輩が言いそうな言葉を真似するようになった。
具体的には、まずは顎を引いてスッと立つ。そしてハキハキした声で「ローンついては誰よりも勉強していますから。どんなことでもご相談ください」と自信に満ち溢れた感じで話をした。
演技する前の私は、どんなに頑張って説明しても「それ以上の説明は結構ですから」とお客様から拒否され続けていた。そんな私がお客様のほうから「ぜひ相談に乗って欲しい」と言われるようになった。このお客様の変わりようは信じられないほどだった。
私は普段からトップ営業スタッフがどんな言葉を使い、どんな立ち振る舞いをしているのかを間近で見ていた。単純にそれを真似したのだ。それほど難しいことではない。
あなたが子供のころ、好きだったアニメのキャラの言葉や仕草を真似したことがあるだろう。まずはそんな感じで良い。身近にいるできる人を思い浮かべ「できる人だったらこう言うだろうな」といったイメージから始めてみてほしい。「言葉と立ち振る舞い」のふたつの点を意識すると、できる人の雰囲気を醸し出せるようになる。
なりたい自分を“インストール”する
ここまで読んでも、「演じることに抵抗がある」人もいるかもしれない。であれば、アプリを想像してもらえると良い。
あなたのスマホやパソコンにいろいろなアプリがインストールされているはず。「消費カロリーを管理したいな」と思えばまずはダイエットアプリを探してインストールする。インストールしたては使い方に戸惑うが、すぐに慣れ、使いこなせるようになる。アプリやソフトをインストールするように、あなた自身にも仕事で結果を出せるキャラクターをインストールすれば良い。
元気を出したい営業スタッフであれば「目標を常に達成していて、声に張りがある人」をインストールする。はじめこそ使いにくいかもしれないが、だんだんと慣れてきて使いこなせるようになる。もし新しくインストールしたものが自分に合わなかったら、そのときは迷わずアンインストールすればいい。
さっそく“できる自分”もしくは“元気な自分”をインストールしてみて欲しい。そのキャラを演じた瞬間あなたはいいオーラを醸し出し、お客様から好印象を持ってもらえる。そしてあっという間にネガティブループを断ち切ることが可能になる。