“できる人になろう”の自己暗示はかえって逆効果!?
知人の営業スタッフのこと。
コロナ禍が大きく影響する業界で営業をしているため、ノルマの未達成が長く続いている。その営業スタッフはため息交じりに「現在未達が続いていて自分の話し方に張りが出ないと感じています……」と言っていた。それが原因で商談も上手くいかないネガティブループに陥っている。
暗い雰囲気は悪循環の原因となる。本人も「何とか断ち切っていくしかない」とわかっているが、なかなか気分は乗ってこない。この営業スタッフのような悩みを持っている人が少なくない。
そこで私から提案がある。結論からお伝えするが、ネガティブループから抜け出す最善策は、ズバリ“できる人を演じる”ことだ。
できる人を演じる、と聞いて「なるほど、そういう手があったか」とピンときた人もいれば「演じるってどういうこと?」と疑問に思った人もいるかもしれない。どちらの方もこの先の話を聞いてほしい。
ポイントは“できる人になろうとする”のではないということ。よく勘違いして、できもしない自己暗示をかける人がいるが、これはかえって逆効果になる。
ダメ営業スタッフ時代の私は「私はトップ営業スタッフになる、トップ営業スタッフになる……」と念仏のように唱えていたことがあった。こんな暗示をかけながら、もうひとりの自分が「オイオイ、トップなんて無理に決まっているだろ。今月だってゼロなんだから」と否定してくる。
自分をだますのは容易ではない。これではますますネガティブになりドツボにハマる。私がひたすら願っても結果が出なかった(かえって逆効果)ように、間違った方法で努力を続けても意味がない。
“存在していない未来のできる自分”はイメージしにくい。しかし、”実際の存在している近くのトップ営業”ならばイメージしやすい。自分を変えるという発想ではなく、誰かをモデルとして演じたほうが現実的なのだ。演じたことで成果を得られた成功体験を紹介しよう。