「お客様の仲間」になる方法を考える
──優勝を経て、ご自身あるいは組織の中で生じた変化があれば教えてください。
米川 私は、これまでのキャリアで「答えがないもの」への挑戦に挑んだ経験がありませんでした。ゆえに、「これで良いのだろうか」と自問自答しながら、ああでもないこうでもないと試行錯誤する経験がとにかく新鮮で……。営業企画という新たな職種にチャレンジするタイミングで、大きな第一歩を踏み出せたのではないかと感じています。
橘 私は現役でいることの大切さを改めて実感させられました。本大会では、他社が若手中心のチーム編成で挑む中で、クラウドサインチームは役員である私が登壇しているため、負けるわけにはいきませんでした。普通はこの立場の人間で出場しませんよね(笑)。その点でも、今回の大会への出場は私にとってリスクだらけだったんです。
私は「大人の都合」という言葉が得意ではなく、日ごろから「子どもの論理」で仕事することを心がけています。誰しも社会人として仕事を始めたばかりのころは「社会の役に立ちたい」「偉くなりたい」など、自分の理想を掲げ、それに向かってまっすぐに仕事に向き合っていたでしょう。しかし、年数を重ねるごとにそうした感覚は見失われてしまいがちです。全力でチャレンジした結果1位を勝ち取った経験は、自分の掲げる「子どもの論理」の重要性を改めて思い出させてくれました。22歳の自分であり続けることは難しいですが、これからもこの価値観を大切にし続けたいと再確認するきっかけになりましたね。
──おふたりが考えるセールスの面白さや難しさは、どのような点にありますか。
橘 当日のプレゼンでも申し上げたとおり、2020年以降、営業の役割は様変わりしています。自社商材の魅力を一方的に伝えるだけの時代は終わり、営業に会う前からお客様自身がインターネットで商材を比較検討できる時代となりました。そのため、企業は自社の良いところも悪いところも開示して、お客様と「いかに、仲間になるのか」を考える必要性が高まっています。営業の面白さや難しさは時代とともに変わっていくため、それらに対するゲームチェンジにいかに早く適応できるかが成功の鍵になっていくでしょう。
米川 我々に問い合わせをくださるお客様は、必ずと言っていいほど「何かに困っている方々」です。その困りごとの解決に向けて、お客様と二人三脚で取り組んでいくことに営業という仕事の面白さを感じています。お客様が契約書にまつわる社内のカルチャーを変えていく──社内変革とも言える大きな挑戦に取り組まなければならない状況の中で、売り手と買い手の関係性を超えて「共にチャレンジを成し遂げるパートナー」としてクラウドサインを選んでいただけるよう日々奔走しています。この点を心がけているためか、「クラウドサインの営業って他社と違うよね」と言っていただく機会も多く、大きなやりがいを感じる日々です。
──最後に、おふたりが個人あるいは組織として今後チャレンジしたいことを、それぞれお聞かせください。
米川 個人としての目標にはなりますが、3月の異動を契機に、クラウドサインの組織そのものを改善していくことが私のミッションになりました。「熱量を持ってやり切れる人」が集まるクラウドサインで、メンバーたちの魂により大きな火を灯せるような仕組みをつくっていきたいです。
橘 電子契約を日本全体に普及させるためには、クラウドサインは400万社が使うサービスに成長する必要があります。これを実現するべく、現在30万社ほどのクラウドサインユーザーをバックアップし、「お客様がお客様を呼ぶ仕組み」の整備に取り組んでいます。2030年までに国民的サービスとしての地位を確立するべく、業界の先頭に立って「コミュニティの時代」を醸成していきたいです。
──ありがとうございました!