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大手企業への営業戦略と実践~持続的な事業成長に向けて~ 『エンタープライズセールス』出版記念イベント by SalesZine

2024年11月20日(水)15:00~17:10

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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AI&BIで電話とモチベーション分析 Salesforceのデータドリブンインサイドセールス最新事例

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2種類のサーベイでチームのモチベーションを可視化

――行動量の多さもインサイドセールスの特徴だと思います。コロナ禍のリモートワーク環境では、どのようにメンバーのモチベーション維持を行っていましたか。

一般的に、リモートワークでは孤独感が生まれやすく、会社への帰属意識が希薄になり、上司・部下の関係づくりも難しいと言われています。社員に寄り添う、納得できるコミュニケーションを実現する必要がありますが、そのときに意識するべきなのも実は“データ”です。「リモートで寂しいからみんなで1時間電話を頑張ろう!」と盛り上げるのも、1~2回が限度でしょう。精神論ではなく、データドリブンに使えるツールを最適化していく工程が欠かせません。

当社は2020年3月中旬からフルリモート体制に移行したのですが、SalseforceとTableauによってメンバーやチームごとの営業活動データが把握できており、リモートでの1on1には困っているポイントを把握したうえで臨むことができました。マネージャーは、主観的な自分の思いではなく、ほかの人の傾向なども可視化し具体的な策を伝えることを意識しています。

営業成果以外のモチベーションの状態も、顔を合わせなければ当然捉えづらいです。そこで、従業員に対する「モチベーションサーベイ」を、毎月1回と半年に1回の2種類実施し、データとして蓄積しています。チーム全体のモチベーションが高い水準にあるのか、少し落ちているのか、ひと目でわかります。さらに「マネージャーに対して要望があるのか」「会社の仕組みに要望があるのか」「自分の目標達成が叶わずモチベーションが下がっているのか」――など情報を細かく可視化し、それぞれに合わせた対策を打ってきました。少し変わったものだと、社内SNS上でどれだけ感謝の言葉、尊敬の言葉があるかをデータとして可視化したこともあります。

――長期的な目標の管理やキャリアステップの表示も、インサイドセールスのモチベーションを高めるためには必要そうです。

当社のインサイドセールスは、まず反響型で1年~1年半、新規開拓型で1年~1年半、計3年ほどの経験を経て、フィールドセールスへ異動となることが多いです。キャリアアップのためのトレーニングは大学の単位制授業のように、必須のものと選択式のものが用意されています。この学びの状況や成長もデータとして可視化されており、「V2MOM」と呼ばれる個々人の目標管理の仕組みと、この育成データを合わせて活用することで、感覚ではなくデータに基づいたキャリア提案を1人ひとりに対して実現しています。

生産性向上を目指し最新ツールに常に挑戦する組織へ

――現在取り組んでいるチャレンジはありますか。

データドリブンが深く根づいた今、さらに力を入れていきたいのが、AI活用です。リモート下のデータが溜まってきていますが、出社頻度が増えているお客様もいる新しい環境下で、先ほどの「営業が7割話したほうが良い」というデータがどこまで通用するか、まだわかりません。AIを活用し、最適な情報提供やコミュニケーションを今後も検討し続ける必要があります。本格的に活用し始めて1年ほどのHigh Velocity Salesでも、より効果的な「型」を見つけて、抜け漏れなく生産性を高める方法を見極めていこうと思います。

また、2月に新オフィスがオープンする一方、Slackは我々の「デジタルHQ(デジタル本社)」となっています。資料確認や、スケジュール調整、社内申請や承認もSlack上で完結します。働き方を便利にするツールは今後も登場していくと思いますが、1つひとつのアプリケーションにアクセスせずとも完結できるSlackは生産性を高めるハブの役割を担っていくと思います。

――これからのインサイドセールスにはどんな考え方やテクノロジーが必要でしょうか?

インサイドセールスは営業プロセスのひとつであり、営業生産性を高める手段として興味関心が高まっていると思います。労働人口が減るなかで提案の質を落とさず、インサイドセールスの生産性を高めるためには、時代やタイミングに合わせて最先端のツールを取り入れることに継続的にチャレンジする必要があるでしょう。私の経験を踏まえると「蓄積したデータを分析できるツール」「データに対して示唆を与えてくれるAI」「プロセス自動化ソリューション」は引き続き注目するべきツール群だと思います。

――最後に、自分のキャリア形成に悩むインサイドセールスへ、アドバイスやメッセージをお願いします。

短期的な結果だけを追い求めることよりも、物事の本質をそれぞれの人が追求することが重要だと思います。現場の皆さんは高い視座を持ち、「次のポジションにいく」ことだけを目的とせず、ふたつ先くらいの地点を見ながら走っていくと良いでしょう。「インサイドセールス組織を成長させる」「フィールドセールスとなってお客様と伴走する」、次のステップはどんなものでも良いですし、その思考を心がけておけば可能性は必ず広がっていきます。視座が下がっているときには、自分自身で上げる工夫をしてみましょう。

モチベーションの上下は、インサイドセールスに限りません。マネージャーの皆さんは、メンバーから「首都圏を担当する大企業案件のチームに昇格したいです」と申告されたときに、「では今のインサイドセールスの業務ではこの考え方を学ぶべき」「今取り組んでいることは将来にどうつながるか」を伝えていきましょう。「見込み客との商談をつくる」という役割を通じて「お客様指向な考え方」「KPI達成への意欲」が育ちますし、インサイドセールスの経験は、あらゆるポジションにおいて必ず役に立つはずです。

 

――これからも御社のインサイドセールスの進化が楽しみです。ありがとうございました。

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この記事の著者

SalesZine編集部 宮田華江(セールスジンヘンシュウブ ミヤタハナエ)

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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

井上晃(イノウエアキラ)

ITライター・エディター。モバイル業界を中心に取材し、IoTやロボットなどを含め、多岐にわたるテーマの記事を雑誌やWebメディアで執筆。雑誌・ムックの編集にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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