“将来のエース”を育てるインサイドセールス組織
――加藤さんはセールスフォース・ジャパンを一度離れて外資SaaS系企業への経験を経て、2017年に再びセールスフォース・ジャパンに復帰されたのですね。
当時、転職という選択肢を選んだのはセールスフォース・ジャパンの「The Model」という仕組みを用いた営業プロセス・営業の進め方を学んだうえで、自分の力を外で試してみたかったからです。ちなみに、転職先から当社に戻ってくる人は割と多い印象があります。私が戻った理由は具体的に3つありました。
ひとつめは、ちょうど40歳手前のタイミングで「4、50代のキャリアの幹」を持ちたかったからです。次の5年間は、経済面や自身のスキルアップだけではなく、人の成長に携わることができたら素敵だなと「育成」に携わるポジションを意識していました。
ふたつめは、インサイドセールスチームの新しいチャレンジがスタートするタイミングだったこと。かつての上司から、「エンタープライズ領域でまだお取引がないお客様を開拓するインサイドセールスの特別プロジェクトに力を貸してほしい」と誘ってもらったのですが、自分がこれまでIT業界で学んできた新規開拓・大企業向けの手法を活かすことができると考えました。また、チャレンジする人の背中を押す文化がある当社でこそ挑戦してみたいとも思いました。
3つめは、本当にお客様の役に立つビジネスモデルについて見つめ直したかったから。当社のコアバリューである「カスタマーサクセス」は、現在さまざまな会社でも掲げられていることではあります。ただし、当社が提供するCRMやデジタルマーケティング支援SaaSは、誰にとっても必要なものではなく、あくまで「Nice to have」な(あればなお良い)ソリューションです。真にお客様のビジネス成長を実現し、寄り添わなければ活用され続けませんし、その構造があるからこそ社員全員が本当にカスタマーサクセスに向かって働いています。あらためてそこに魅力を感じていました。
――ご自身のキャリアプランと、セールスフォース・ジャパンの挑戦が重なりあうタイミングだったのですね。現在のインサイドセールス組織のミッションを教えてください。
3つあります。ひとつめはお客様との最初の接点かつ扉を開く役割として、お客様と自社双方の成長につながる上質な商談をつくることです。そのために、インサイドセールスとしての数値・定量的な目標をしっかりと達成する必要があります。ふたつめは、私のキャリアの話にも通じますが、さまざまなポジションで活躍する“将来のエース”をインサイドセールス部門で育成していくこと。そして、3つめは、インサイドセールス自体を日本市場に定着させて広げていくことです。最近はお客様含めてさまざまな場面で情報交換の機会をいただいていますが、日本では完全に根づいているわけではなく、力を合わせながらつくっている段階にあると認識しています。本日も自社の最新状況を共有し、皆さんとインサイドセールス市場を成長させたいと考えています。