ヤマハとホーユー、「アプリ」の営業活用事例
Yappliを導入している企業は450社以上に上る。今回、「Yappli for Company」の具体的な事例として、ヤマハミュージックジャパンと、ホーユーの活用方法が紹介された。
ヤマハミュージックでは、顧客へのサポートを行う「特約楽器店」に対して営業担当が足を運びカタログを渡すというアナログな手法でコミュニケーションをとっていたという。
「紙のカタログは重量もあるうえに、営業中に膨大なカタログからどれを見せたら良いのかという判断も難しいです。物理的な移動コストや、情報刷新の際にかかる制作費用も負担になっていたようです」(吉留氏)
これらの課題を解決するために、ヤマハは自社アプリを導入。電子カタログの機能を活用して、特約楽器店がアプリからカタログ情報にアクセスできるように整えた。アプリでは、情報の差し替えを容易に対応できるメリットもある。また、アプリのダウンロードについては、アプリストアでの検索を挟まずに、QRコードの読み取りからダウンロードできるような仕組みが採用された。
結果として、関係者への素早い情報共有体制が実現された、現在では主要特約店の7割がこのアプリを導入し、大量の紙カタログを用いていた営業作業の負担が軽減できたという。
ヘアカラー製品などを製造・販売するホーユーでは、「hoyu professional(ホーユープロフェッショナル)」という美容師向けの事業で自社アプリを導入した。同社が抱えていた課題は、取引先が多く、情報を伝えきれなかったということだった。
「美容室は22万軒ほどあると聞いています。現実的に人力で回るのは不可能ですよね。さらに、美容師の方々は日中も多忙で訪問しても話を伝える時間がないという課題もあったようです」(吉留氏)
アプリを活用し、商品の使い方などを動画で配信して伝える工夫がとられた。現在では、ホーユーから美容室への連絡はもちろん、営業活動を仲介する代理店でもアプリが活用されている。
導入後は、商品導入の確度が高まり、美容室からも使い方を学べるコンテンツが高評価を得ているなどの反響があるという。
Yappliの活用にプログラミングは不要 顧客との信頼構築にアプリを
Yappliを活用して自社アプリを作成する場合には、プログラミングは不要だ。また、運用からデータ分析、アップデートまでを一貫して担うことができる。従来のスクラッチ開発と比較すると、オーダーメイドのアプリ開発ができるわけではない点は留意しておきたい。しかし、40種類ほどの機能を組み合わせることで、多くの顧客が望む機能は実装できるという。
開発費用の安さや、リリースまでのスピード感の高さ、OSバージョンアップごとに費用がかからない仕様などの点でも、大きなメリットがある。iOSやAndroid向けの更新についても、ひとつの管理画面からまとめて可能だ。
「アプリ内に動画を追加するような場面でも、弊社にご連絡いただくことなく、管理画面から作業が行えるため、PDCAサイクルを早く回せるサービスになっています。ほかの業務と兼任でもアプリ運営がしやすいと言えます。またアフターフォロー部隊も整っているため、初めてでも怖がらずに挑戦していただけます」(吉留氏)
セキュリティについては、「ログイン機能」を活用することで、IDとパスワードで認証し、利用権限を分ける仕組みを整えることができる。また、一般ストアに公開されない専用ストアからのクローズドな配信方法を選択することも可能だ。
高橋氏は、「お客様と信頼関係をより強固にするために、ぜひアプリの活用をご検討いただければと思います」と講演を締めくくった。