「情報の届け方」がますます重要な時代に 差別化をどう図る?
ヤプリは、アプリプラットフォーム「Yappli」を提供する企業だ。2013年4月に設立され、2020年12月22日に東証マザーズへの上場を果たした。同社マーケティング部に所属する吉留氏は、ソリューションについてこう紹介する。
「Yappliをひと言で表すと、スマホアプリをノーコードでつくることができるサービスです。皆様が提供するサービスのアプリ化や、デジタルトランスフォーメーションをお手伝いします」
同社が提供するソリューションは、大きくふたつに分かれる。ひとつがBtoCのサービスを提供する企業がECや顧客とのコミュニケーションに活用できる「Yappli for Marketing」、もうひとつは、社内や取引先との円滑なコミュニケーションを実現するための「Yappli for Company」だ。なお、これまで同社の軸となっていたのは前者だったが、コロナ禍においては後者の利用が徐々に割合を増やしているという。
高橋氏は、昨今の非対面でのコミュニケーションが増えてきた状況を前提として、ますます「情報の届け方」に留意する必要があることを強調した。営業組織においても、対面・オフラインでの活動が制限されたことで、新規顧客獲得の難易度は上がり、すでに付き合いがある得意先や、パートナー企業との関係構築の重要性が高まっている。
「既存のお客様とどのように信頼関係を築くべきか。オンラインでも、しっかりと有益な情報提供をすることが、より一層求められているのではないでしょうか」(高橋氏)
そのためには、対面やメール、セミナーといったコミュニケーションだけでなく、現状から一歩進んだ新しい情報提供の方法が必要であるという。溢れかえる情報の中から適切なものを届けることはもちろん、企業が発信している情報に、顧客がすぐにアクセスできる環境を築いておくことが重要だとした。
「メールだけの連絡など、競合他社と同じ方法では情報が埋もれてしまう。また、顧客もウェブで情報を得ることに慣れているため、利便性が高いものを優先するという背景があります」(高橋氏)