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2025年1月28日(火)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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営業力は「生きる力」――メンバーや顧客から営業を学んだ高橋浩一さん『無敗営業 チーム戦略』上梓のワケ


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 2020年10月23日に刊行された書籍『無敗営業 チーム戦略 オンラインとリアル ハイブリッドで勝つ』。著者は、4万部を突破した『無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」』(日経BP)を2019年に上梓した高橋浩一さんだ。「営業の上司」に一度も師事することなく、人見知りだった高橋さんはいま、多くの営業パーソンを支援するようになるまでのプロセスを振り返って、「営業力は生きる力」だと力強く語る。高橋さんが、本書に込めた思い、そして非凡な営業のキャリアを聞いた。

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営業組織を勇気づける発信をしたかった――営業改革に必要な4つの順序

――『無敗営業 チーム戦略』(日経BP)の上梓、あらためておめでとうございます。営業組織を支援する立場かつ、ご自身も自社の営業チームを率いられている高橋さんは、どういった課題感から本書を執筆なさったのですか。

実は『無敗営業』(日経BP)の続編を、という話自体はもともと持ち上がっていました。ただ、本格的に進めていこうとした矢先、コロナ禍に突入しました。当然、対面で集合研修を提供する当社も影響を受け、みるみる予定が空き、売上が減っていきました。

さらに、支援先である営業組織の経営層の方々からは「立場上、表では言えないが正直どうすれば良いかわからない」という苦しい声も聞きました。組織を存続させるためにはどこかで数字や売上を取り戻さないといけません。一方で、多くの会社にとってマーケティングの手段である展示会や対面の営業活動は軒並みストップしていましたし、本当に「とんでもないことになったな」と感じました。

ただ、当社はもともと電話商談を活用していたため、オンライン商談には抵抗なく移行できました。そこで、4~5月あたりから、オンライン商談に困っているお客様に自分たちのノウハウをお伝えすることをスタートし、喜んでいただけました。また、前著『無敗営業』では、もともと人見知りだった私が、人と話すことが得意な人ばかりいる「営業」というフィールドで活動する中で行った工夫やエピソードについて書きました。結果として、営業職ではない方々も多く手にとってくれて「勇気づけられた」という声もたくさんいただいたのです。もしかすると、積極的な情報発信を通して世の中に貢献できるのでは、ということを感じるようになりました。

コロナ禍で、どうしても暗い話題が多かったですよね。いま、営業組織に必要とされていることを言葉にできれば、皆さんのお役に立つこともできますし、明るい話題の提供にもつながり、希望をもたらすこともできるのではないかと本書の執筆を開始したのです。

 
TORiX株式会社 代表取締役CEO 高橋浩一さん

――単なるノウハウ本とはひと味違う読書体験を提供したいという思いが伝わってきます。本書のポイントもぜひ教えてください。

『無敗営業 チーム戦略』では、営業改革に必要な4つの要素について、整えるべき順番を明示したところがポイントです。営業組織にとっても便利なツールは現在たくさんあり、1つひとつはとても良いものです。当社も、SFAやインサイドセールスのツールを活用して営業を行っていますし、ツールの導入や定着に関して多くのお客様を支援しています。ただ、使いこなすまでに難しいことも多く、いきなりツールという「手段」から入るのではなく、その前に必要なことがあるはずだとずっと考えていました。

書籍内で明示した順番は、具体的には「1)自社の勝ちパターンを見つける」「2)ツールによる営業活動の可視化」「3)人が育つ仕組みがある」「4)コミュニケーションのバランス」というものです。

「人材育成」の重要性は世の中で当たり前のように認識されています。しかし、多くの営業組織では新人向けの教育体系はあっても、数年目の中堅メンバーに対する教育プログラムはほとんどありません。経験値のあるメンバーに教育を提供しようとしても「いまさら何を教えるんだ」という反応が出るのではという懸念があるからです。会社からすると、もっと数字を上げてほしいとか、こういうスキルを身につけてほしいなどの要望はあるのですが、ひととおり現場を経験してきた営業担当者たち、ご本人の立場からすると「学ぶ必要性」がはっきりしていなくてはなりません。

「なぜトレーニングが必要なのか」を納得してもらうには、営業プロセスがどうなっているかという数字やデータがあり、そこで課題が明示的にわかることが必要です。さらに、その教育やトレーニングをしたことで成果が上がったこともきちんと証明する必要があります。そこで、「2)可視化の仕組みを整える」⇒「3)育成の仕組みを整える」という順番が重要なんです。

また、営業マネージャーは目標を達成できないメンバーへの接し方について、いつも葛藤を抱えています。書店にも実際、社内コミュニケーションに関する本が多く並んでいますよね。信頼関係も築きたいし、心理的安全性にも配慮したい、それでも数字を上げていないメンバーを前にすると、ついコミュニケーションに余裕がなくなってしまう……。しかし、プレッシャーをかければメンバーが成果を出せるわけでもありません。どうやれば成果を出せるのかを明確にして、それを実行すればうまくいくんだという道筋が見えていることが必要です。マネージャーがメンバーに提供するものとして、「1)勝ちパターン」「2)活動の可視化」「3)育成の仕組み」がないままに、コミュニケーションだけに気を配ってもダメなんですね。

本書では、各章の最後に「事業トップ」「チームリーダー」「メンバー」「企画チーム」、それぞれの立場から読了後のアクションリストを記載しています。たとえば、営業組織のトップは往々にして素晴らしい実績を積んできた「営業の神」であることが多く、周囲の人間が進言しづらい実態もあると思います。そんな中、チームリーダーやメンバー、企画チームも含めた全員で読んでもらうことで、組織の共通言語がつくりやすくなると良いなという思いがあります。

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「お客様が人間なら受注できる」属人的な営業から脱却できたワケ

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SalesZine編集部 宮田華江(セールスジンヘンシュウブ ミヤタハナエ)

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