常陽銀行は、2024年2月より業務利用している生成AI「ChatGPT」について、言語モデルのバージョンアップを実施するとともに、RAG(※)環境を構築し業務効率化を促進する機能としてRAGを活用した「営業ソリューション検索サービス」などの取り扱いを開始したことを発表した。
※RAG:Retrieval Augmented Generationの略称。データベースに格納した情報から回答を生成する技術
ChatGPT バージョンアップの概要
常陽銀行は、クラウド上の閉域環境にChatGPT(AzureOpenAI)を構築しており、全行員に利用環境を提供している。現在、稟議書や企画書のアウトライン作成、翻訳、文書添削等を中心に、月間1,000人以上(全行員の約31%)の行員がChatGPTを日常利用し、業務の効率化を図っている。
今回、ChatGPTをバージョンアップすることで、行員がより使いやすい環境を整備し、さらなる業務効率化につなげる。
実施日 | 実施項目 | 内容 |
2025年7月14日 |
(機能①)融資審査関連の情報検索 |
各業種に関する専門情報(業種動向・市場規模・融資審査上の確認ポイントなど)の回答 |
2025年8月29日 |
「GPT-4o」から「GPT-4.1」へ変更 |
・出力可能文字数の増加 ・学習データの対象期間拡大 ・回答内容の推論精度向上 |
2025年9月18日 |
(機能②)営業ソリューション検索サービス |
取引先の事業課題やニーズから課題解決に適したソリューションを回答 |
2025年9月18日 |
(機能③)コールセンター問い合わせのインバウンドコール用FAQ検索 |
顧客からフリーダイヤル宛への問い合わせ内容に対する回答案を出力 |
「営業ソリューション検索サービス」の概要

常陽銀行では、第4次グループ中期経営計画における社会課題解決戦略の個別戦略として、「事業者の成長を支えるソリューション提供」を掲げている。
事業者が抱える社会課題に対して、同行、グループ会社および外部機関との連携による複合的・総合的なソリューション提供を通じて、地域事業者の持続的な成長に貢献していくことを目的に、ChatGPTのRAG機能を利用し、課題軸から適切なソリューションを導き出す「営業ソリューション検索サービス」の行内での取り扱いを開始した。
本サービスの導入により、行員の経験や知識に左右されていたソリューション提案を平準化し、状況に応じた多角的な提案につなげることが可能となる。
同行行員が本サービスを生成AIによる「営業コンシェルジュ機能」として活用し、事業者の幅広いニーズに対応した総合提案の実践を積み重ねていくことで、行員1人ひとりのスキルアップを図る。