ガートナージャパン(以下、ガートナー)は、日本国内のデータ利活用の現状に関する調査結果を発表した。
同社が2020年11月に実施した調査でデータ利活用について尋ねたところ、回答者の60%超がデータ利活用に対して課題意識を持ち、また、そのうちの20%超が組織全体の課題として認識していることが明らかに。
ビジネス成果が獲得できているかを尋ねると、成果を「十分に得ている」もしくは「ある程度得ている」回答の割合は、「2018年以降3年間の推移を見ても一進一退で、大きな変化はありませんでした」と述べられた。ガートナーは、こうした結果を受けて「組織においてデータ利活用への意識や関心は高いものの、それによるビジネス成果は年々増えているとは言えない状況が見て取れる」とコメントを残した。
主な成功要因「活用できるデータの種類・量・品質」が6割以上
ビジネス成果獲得の成功要因と阻害要因を、選択式でそれぞれ3つ尋ねると、成功要因としてもっとも多く挙げられたのが「活用できるデータの種類・量・品質(59%)」であった。
ガートナージャパン アナリスト/ディレクター 一志達也氏のコメント
「活動できるデータの種類・量・品質」が成功要因としてもっとも多く挙げられたのは順当と言えます。データを利活用してビジネス成果を得たくても、肝心のデータや利活用できる環境がなかったり、不備が多かったりするのでは取り組みようがありません。また、データを分析するスキルを備えた人材がいなければ、ビジネス成果を得るには至らないことから、「データ分析のスキル」「ビジネス部門の理解や協力」を挙げる回答者が多かったことも違和感のない結果と言えるでしょう。