最速で対面の営業力を向上させる方法
対面の営業力を向上させる方法はなんだろうか?
- 営業トークの本を読む
- 営業研修に参加する
- 心理術を学ぶ
などなど。こういった方法も効果的ではある。
営業の本を数多く出している著者の立場からすれば「営業ノウハウの本をたくさん読んでください」と言いたいところだ。しかし、もっとも短時間で対面の営業力を向上させるのは読書ではない。トップ営業マンが“実際にお客様と商談している姿を見る”ということなのだ。
「百聞は一見にしかず」ということわざがあるが、何冊も本を読むより、1回お客様とのやりとりを見たほうが良い。文字では変わらない、間の取りかたやタイミングを学ぶことができる。やはり、リアルで感じるのがいちばんである。何らかの手段でぜひトップ営業マンのお客様との実際のやりとりを体感してほしい。
まずは正攻法としてトップ営業マンに「勉強のために次の商談に同行させてください」とストレートにお願いする。トップ営業マンは懐が深い。きっと、了承してくれるはず。これは非常に大きな学びになる。
タイミングが合わない場合、もしくは職種によって同行できない場合もある。そのときはお客様役を買って出てロープレをするといい。お客様の設定を伝えれば付き合ってくれる。リアルの商談には負けるが、こちらも学ぶことが多い。その場合はぜひ動画を撮らせてもらおう。カメラがなければスマホでもいい。録画しておけば何度も繰り返し見ることができる。何度も見るうちに自分との違いがたくさん見つかるだろう。ぜひ、一度チャレンジして欲しい。
以前、コンサル会社からの依頼で“実際の営業マンの接客の様子”を見させてもらったことがあった。あるハウスメーカーからの依頼で展示場にカメラを配置し、営業マンとお客様のやりとりを観察した。長くてたいへんだったが、これは私自身としても非常に参考になった。
トップ営業マンとそうでない営業マンの違いはすぐにわかった。ダメ営業マンはお客様が来店してもすぐに出てこない。お客様が展示場を見始めてから、登場すし、立ち姿もキレイではない。この瞬間にお客様は「イマイチの営業マンが出てきたな」といった表情に変わる。この時点でゲームオーバー。上手く行くことはほぼない。
トップ営業マンはそんな適当な登場のしかたはしない。お客様が来店すると同時にお迎えする。しっかりと名乗り、名刺を丁寧に渡していた。テレビモニター越しにも立ち振る舞いの良さがハッキリと伝わってきた。お客様の表情も和やかである。この時点で大きなアドバンテージを得ているのだ。
トップ営業マンとダメ営業マンの違いは“お客様との出会いの瞬間に全力を注いでいるかどうか”ということ。人は出会って15秒で判断する、というルールがある。そこで《この人は感じがいい》と思えば、そのあとも話を聞きたいと思うし、《ちょっと相談してみようか》となるものだ。