なぜ営業も「導入後」に責任を負うのか? ニーリーの強さを支える「共通KPI」とは
──組織の強さを支える「仕組み」の面では、どのような工夫をされているのでしょうか。

組織を強くするために、独自のKPI設計を敷いています。通常、多くの企業ではセールスが「契約」をゴールとし、その後の運用はカスタマーサクセスが引き継ぎます。しかし、この分業体制は「売ったら終わり」という前者と、その後のフォローに苦労する後者の間に、深い溝を生んでしまいがちです。
そこで私たちは、セールスとクライアントサクセスで共通のKPIを掲げています。弊社のサービス「Park Direct(パークダイレクト)」は、導入後の運用改善まで踏み込んで初めて真価を発揮するものだからです。セールスは契約して終わりではなく、「顧客の期待した価値が実際に創出されているか」というKPIを、クライアントサクセスと共に追うのです。
目標達成のハードルは上がりますが、そこで「できない理由」を探すのではなく、「どうすればやりきれるか」を考え抜く。そうした思考の粘り強さが、この仕組みを通じて営業の血肉となっていくのです。
「売った人がすごい」のではなく、「顧客への価値創出を仕切り切った人がすごい」。この定義こそが、ニーリーという組織を支える揺るぎない背骨になっています。
AI時代の営業の真価──「意味づけ」の力で、顧客の未来を創る
──最後に、小川さんが今後目指したい営業組織の姿についてお聞かせください。
まず大前提として、「Park Direct(パークダイレクト)」は、不動産管理会社、駐車場借主であるカスタマー、オーナーの「三方よし」を実現する最高のサービスだと自負しています。実際、週に数回の機能アップデートが行われ、プロダクトの進化に終わりはありません。
一方で、「もし完璧なプロダクトになったら、営業はいらなくなる」とも考えています。発展途上であるからこそ、営業が介在して顧客の期待値を調整し、価値を定義する余地があるのです。これを私は、「営業とは意味づけをする仕事」という言葉でメンバーに伝えています。

たとえば、よく「砂漠で砂を売れるか」という例え話が言われますが、私はそれを「価値のないものを売る力」ではなく、「相手さえ気づいていない価値を再定義する力」だと解釈しています。
とくにアナログな慣習が残る不動産業界においては、デジタル化への舵取りは、お客様にとって大きな決断です。だからこそ、営業自身が今この瞬間のプロダクトを「最善」だと信じ切り、お客様が「今じゃない」と思っているものを、「今こそやるべきだ」という確信へと変える必要があります。その「意味づけ」こそが、どれだけAIが進化しても代替できない、営業の真価なのだと信じています。
ニーリーの営業組織を、誰かの決断に寄り添い、社会のインフラをアップデートする高度な専門職集団にしていきたい。「ニーリーの営業出身なら間違いない」と市場から評価される未来を、本気で目指しています。
──キャリアでの挫折を乗り越え、新たな営業の地平を切り拓かれている小川さん。本日は熱量の高い、示唆に富むお話をありがとうございました!
