AI議事録を最大限に活かす「振り返り」戦略
すでにAI議事録を活用している営業は多いですが、AIを単なる書記係で終わらせず、真の相棒に仕立てるには「クリティカルシンキング」のスキルが必要になってきます。「健全に疑う力」と言い換えることもできるでしょう。
物事に対しても、AIのアウトプットに対しても、「なぜそうなのか?」「本当にそれで良いのか?」と問いを立てること、違和感を抱くことは、人間にしかできません。クリティカルシンキングに関する書籍は世の中にたくさんありますから、最低1冊は手に取ることをおすすめします。
また、AI要約が便利になった今こそ、「忙しい」ことを理由に連続でミーティングをセットするのをやめましょう。ミーティングとミーティングの間は必ず30分あけてください。これが、AI時代における営業の必須ルールです。
この30分間に、あがってきた要約をチェックし、自分の記憶と照合することで、「違和感」を捕捉します。具体的には、「なぜ、AIの要約ではこの発言が抜け落ちているのか?」「テキストに起こされていない部分で、誤解が生じた可能性はないか?」といった問いを自らに立てるのです。
ミーティングは人と人の生のコミュニケーションです。とくに重要な商談においては「うまく聞けなかったところ」や「伝えそこねた可能性」といった要素を見落とさないように、録音自体を倍速でも良いので聞き直す姿勢が重要です。AIが出したアウトプットを鵜呑みにせず、思考時間を確保してください。

AIを「目的達成の相棒」に仕立てるためのラリー方法
AI議事録の活用においては、目的意識を持ってラリーすることがとても重要です。
1.ゴール設定の確認:最初に掲げていたミーティングのゴールをAIに共有します。
2.達成度の指摘を求める:「私はこのゴールに到達できているか? できていないとしたら何が足りないか?」をAIに指摘させます。
3.次のアクションをアドバイスさせる:AIが出した指摘をもとに、次にアクションすべき内容をアドバイスしてもらいます。
商談を前に進めるための手段として、AIを活用しているという点を忘れないでください。ちなみに、私は次の3つのAIを使い分けています。
【活用ツール例】
- Notion AI:ベーシックな全打ち合わせの記録に。
- Genspark:ビジュアライズ機能が秀逸なため、資料作成などで活用。お客様側の社内共有資料としても活用しやすく、出力に時間はかかるがアウトプットの質が高い。
- tl;dv:サマリー作成スピードが非常に速い。商談と商談の間のクイックな振り返りにおすすめ。
AIによって、得意な部分もまったく違いますし、日々進化もしています。ぜひ自分の目的に合うAIはどれなのか、いろいろなものを試してみてください。
