AIが「営業シナリオ」を創出する「KIJI」の実践
DATAZORAが提供する「KIJI」は、次世代の営業戦略を具現化する「AI搭載営業企画プラットフォーム」だ。国内の登記されている法人を網羅し、企業サイト、求人媒体、政府機関データベースなど、ネット上に分散する情報をAIが収集・名寄せし、独自のデータ基盤を構築している。
セッションでは、KIJIが営業プロセスをいかに変革するのか、具体的なデモを交えて紹介された。

鍵は「自然言語」によるターゲティング
従来、営業リストは「業種」「地域」「売上規模」といった固定的な条件で検索するしかなかった。しかしKIJIでは、AIが各社のサイト情報や求人情報といったテキストデータをすべて理解しているため、自然言語による検索が可能だ。
アラム氏は、「今までに固定検索条件で検索していた情報も、ユーザー側が自然言語で、好きなように検索できるようになっている。たとえば、『広島の受託開発企業で、エンジニア採用している企業』などを検索し、リスト化することができる」と説明する。


「以前、弁当配達会社の方に『20階以上の企業にアプローチしたい』と要望をいただいた。もちろんそのようなタグは従来のDBには存在しないが、AIが住所とオフィスの理解から、どの企業がどのビルに入っているか把握できるため、超カスタムな営業ができる」とアラム氏は語り、AIが従来のデータベースの制約を超えたターゲティングを可能にすることを強調した。
非構造化データから「担当者」と「タイミング」を特定
ターゲット企業を特定したあと、「誰に」連絡すべきかという課題に対しても、KIJIはAIで解決策を提示する。企業サイトにしか掲載されていないPDFの組織図や、ニュースリリース内の「人事異動」情報。これまでは人力で読み込むしかなかったこれらの非構造化データを、AIが自動で構造化する。
「画像認識のコストも低くなってきたため、非構造化データであるPDFから、正確な人事異動情報も取得できる。これによって、新規に特定の部署を立ち上げた企業や、最近新任した部署担当にもアプローチできる」とアラム氏は言う。
さらに、アラム氏は「データの信頼性」の重要性も挙げた。「分散している情報の中には、古くなっている電話番号やメールが存在する。とくに、対大手企業では(間違った情報へのアプローチという)まずいシナリオは避けたい。KIJIでは『各データ項目のソース』をきちんと記載しているため、ユーザーは自信を持って、たとえば『企業サイトの直近のデイトのみ』に絞ってアプローチできる」と述べ、この「ソース別の仕組み」がアプローチの精度と安全性を両立させるとした。

