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SalesZine & Beyond 2025

2025年10月23日(木)12:30~17:45

キーエンス、プルデンシャル元トップセールスが解説! 営業の「型」実践講座

【最終回】「型」と「カルチャー」の両輪を回せ 〜最強の営業組織を生む方程式〜

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「『売れる』には再現性がある」という信念のもと、ここまで5回にわたり、営業の「型」について徹底的に掘り下げて解説してきました。連載の最後である今回のテーマは「組織のカルチャー」です。売れる組織には強力なカルチャーがあり、その土壌があるからこそ「型」は最大の効果を発揮するのです。本記事では、型とカルチャーが相互に作用し合うことで、いかに最強の営業組織が実現するのか、そのロジックを解説します。

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「型」を支える土壌。最強組織におけるカルチャーの定義

前回記事【第5回】

 一般的にカルチャーとは「組織内で共有されている価値観や行動基準」のことをいいます。目標に向かうために組織が「どうあるべきか(HOW)」という価値観、すなわち「行動の規範」です。

 もう少し噛み砕くと、「それをやるのが当たり前になっている状態」と言えば良いでしょうか。

 たとえば、私が経験したキーエンスのカルチャーは「徹底した合理主義」、対してプルデンシャルであれば、「人間の感情を重視した成果主義」がカルチャーです。強い「型」を持つ組織は、必ず強いカルチャーを持っています。 このほか、強いカルチャーを持つ企業といえば、光通信やリクルート、サイバーエージェント、DeNAなどがパッと思い浮かびます。

カルチャーが「型」の定着とマネジメントを容易にする

 ではなぜ、カルチャーが強い組織ほど、売れ続ける組織になれるのでしょうか?

 そのもっとも大きな要因は「型」と同様、カルチャーがマネジメントを極めてシンプルにするからです。

 カルチャーは、組織全体の「共通の基準」です。この「共通の基準」があれば、フィードバックや育成の面でマネージャーもブレずに部下を指導できます。

 キーエンスであれば、「合理的かどうか」が基準になるでしょう。プルデンシャルの場合はやや複雑ですが、マネージャーは部下の「感情」を重視しながら成果につながるように指導をする、ということになるでしょうか。

 また、たとえば「挑戦が歓迎され、そのうえでの失敗は許される」というカルチャーの組織であれば、いちいち「新しいことに挑戦しよう」と言わなくても、常に誰かが何か新しい挑戦をしている状態が生まれやすくなります。もちろん、ただ標語として掲げるだけでなく、あくまでそれがカルチャーとして浸透していなければいけません。

 また、カルチャーと「型」は相互に補完し合うというのもポイントです。つまり、カルチャーのもとでつくられた「型」が、そのカルチャーを強化するのです。 キーエンスには「ベストデモ」というトークスクリプトの「型」があることを、第3回記事で紹介しました。ベストデモは「製品の最大の利点がお客様にもっとも明確に伝わるデモンストレーション」のことで、キーエンスでは製品ごとにガチガチに固められたトークスクリプトが存在していました。

「合理主義」というカルチャーのもとに「ベストデモ」という型が生まれた → そのベストデモを実行すると成果が上がる → すると「合理主義」というカルチャーが強化される、という流れです。

 あなたが今キーエンスに入社したことを想像してみてください。ベストデモを実践して成果が出れば、キーエンスの合理主義のすごさが、頭ではなく身体で理解できますよね。つまり、ベストデモの有用性について腹落ちしたことによって、「合理主義」のすごさがさらに理解できる、というわけです。

 これが、「カルチャー」と「型」は相互に補完し合うということです。

次のページ
組織のカルチャーはどのようにしてつくられるのか?

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この記事の著者

株式会社Sales Navi 代表取締役 田中大貴(タナカ ダイキ)

2008年同志社大学文学部を卒業後、キーエンス入社。連続で目標を達成したのち、2010年にプルデンシャル生命保険にスカウトされ入社。11期連続社長杯入賞、2017年には当時全国最年少でエグゼクティブ・ライフプランナー(部長)に就任する。2021年に「営業の道しるべを創る」というビジョンを掲げるSales Naviを創業し、企業の営業の仕組みづくりの支援を行う。著書に『売れる組織 売れる営業』(実業之日本社)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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