組織のカルチャーはどのようにしてつくられるのか?
カルチャーを誰がつくるかといえば、第一には組織のリーダーです。そして、そのつくられたカルチャーを浸透させていくことで、売れ続ける組織にすることができます。
「ミッション」「バリュー」「ビジョン」、最近では「パーパス」という言葉もありますが、これらはすべてカルチャーに紐づいています。
キーエンスもプルデンシャルも、会社のミッション・ビジョン・バリューの打ち出し方と浸透のさせ方は徹底していました。
たとえばプルデンシャルでは行動規範を「コアバリュー」と呼び、次の4つが掲げられています。
- 信頼に値すること
- 顧客に焦点をあわせること
- お互いに尊敬しあうこと
- 勝つこと
対してキーエンスであれば、「Keyプロ」と呼ばれる行動指針があり、そこには「プロの前提条件」と「プロの必須条件」として次のようなことが掲げられていました。
【プロの前提条件】
- 高い業績を上げる強い意欲と情熱を持っているか。
- 自分の強みと課題を意識しているか。
【プロの必須条件】
- 売上と経費削減につながる企画が出せているか。
- 最小の時間と費用で進めることを常に意識しているか。
- 判断は経済原則と市場原理に基づいているか。
- 当事者意識を持って、気づきを発信できているか。
- 自分の意見・考えを持って、報・連・相できているか。
- 因果関係“なぜ”をはっきりさせているか。
- 大事な事柄に関して十分浸透させているか。
- 満足な結果が出せているか。
プロの必須条件は、「うさはとじいたま」とその頭文字を取って暗記までしていました。
こういったことを、創業者や経営層がしっかりと明文化し、それを受け継ぎ、徹底して言い続けることでカルチャーとして根づいていきます。
創業者が残した言葉というのは、その組織のカルチャーをつくり出します。
たとえば、リクルート創業者・江副浩正氏の有名な「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」は、リクルートの「個の尊重」というカルチャーを作り出しています。またDeNAにしても、創業者の南場智子氏の強烈なリーダーシップ、そして起業家精神がそのまま社内のカルチャーになっているように見受けられます。
私にとっては、日本におけるプルデンシャルの創業者・坂口陽史氏が大切にされていた言葉が心に残っています。
考えが変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば性格が変わる
性格が変われば人格が変わる
人格が変われば人生が変わる
こういった言葉は、組織はもちろん、個人個人に伝わっていき、それが第5回記事のテーマでもあった「営業としての心構え」をつくり、育てていきます。このようにしてカルチャーはつくられ、浸透していくのです。
