自社データとinfoboxの融合がもたらす「3つの効果」
ここで内藤氏は、インフォボックスが提供している営業データプラットフォーム「infobox」について紹介。「相性の良さ、温度感の高さ、提案のしやすさといった要素をひとまとめに分析し、“今アプローチすべき企業”とその理由を明確にすることができる製品」と説明する。CRMとの連携はもちろん、CRMを使っていない場合でも、ExcelやCSVファイルで容易にデータを取り込めるそうだ。

内藤氏は、自社データとinfoboxの外部データをかけ合わせ、今アプローチすべき企業を“可視化”することによってもたらされる効果を3つ挙げた。
ひとつは、受注企業の特徴量が明確になる、つまり勝ちパターンを構造化できることだ。⾃社の受注履歴(SFA/CRM)と、infoboxが持つ外部企業属性や⾏動データを突合することで、「受注企業が、どんな属性や状態のときに購買しているか」が定量的に⾒えるという。つまり、属⼈的で勘に頼っていたものをデータで裏づけ、再現性あるターゲティングで、営業経験の浅いメンバーでも成果を上げられるようになるのだ。
ふたつめが、商談創出の“確率変数”が明確になること。これまでは「何件コールすれば何件アポが取れそうだ」と、活動量から成果を推計するのが一般的だったが、「今アプローチすべき企業と理由」が明確になることで、活動量ではなく「確率」で営業成果をマネジメントできるようになる。
最後に内藤氏が強調したのは、「未来の伸びしろでの顧客戦略」だ。たとえばSaaSを提供する企業であれば、ライセンス数の増加に応じて売上が伸びる。「だからこそ、将来成長しそうな企業を早めに顧客化しておかなければなりません。そのために、⾃社データ単体では⾒えない顧客企業の成⻑性や投資余⼒、⼈員推移などを外部データで補完することで、未来の潜在顧客のターゲティングが可能になるのです」と語った。

最後に、内藤氏はこう締めくくった。
「これからの時代、意味のない営業アプローチはますます敬遠されます。お客様自身が情報を容易に手に入れられるようになったからこそ、営業は“相手の状態を可視化”し、“お客様目線”で動くことが求められています」(内藤氏)
データの融合がもたらすのは、単なる効率化ではない。「誰に・なぜ・今」を判断できる営業体験を通じて、誰もが成果を出せる営業の仕組みを構築し、未来を見据えた顧客戦略を実現することが可能になる。創造的な営業。それこそが、内藤氏が語る「これからの営業」の姿だろう。

