顧客の「選ぶ目」は、かつてなく厳しい
まず前提として、第1回でも触れたように、顧客の購買行動は明らかに変わってきている。
ウェブで検索すれば情報はいくらでも手に入るし、競合製品も無数にある。選択肢が広がったことで、顧客自身が「どの会社が最適か」「どの会社がいちばん信頼できるか」を冷静に見極めようとする時代になった。
実際に、HubSpot Japanの調査によると、「どのような印象を持つ会社のサービスや商品を購入したいと思いますか」という質問に対し、「信頼できる会社」という回答が39.2%で第1位に挙がっている。

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そんな中で、従来のように「とりあえず提案」「とにかく接点をつくる」といった「売り手都合」のアプローチは、かえって不信感につながりやすい。
必要なのは、まず信頼関係を築くこと。商品やサービスを売り込む前に、「この会社なら相談してみてもいいかも」と思ってもらえる存在になることだ。
では、どうすれば良いのか。そのヒントとなるのが、私自身がかつて顧客として体験した、ある企業のアプローチだ。