「とにかく行動」では成果は出ない 時代は「仮説と検証」へ
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「1日100件は電話をかけなさい」「毎日5件は訪問しなさい」──。 これらの指示は、弊社の支援先のベンチャー企業からプライム上場の大手企業にいたるまで、多数の企業で実際にこの1年間に聞こえてきたものです。
成果を出すための営業は、かつての“気合いと件数”の時代から、“仮説と検証”の時代へと確実に移行しています。しかし、いまだに「行動量=成果」と信じる古い価値観が、多くの営業組織にはびこっている現状があります。
その結果として、現場が「考えること」よりも「行動すること」に重きを置いた活動を重視し、成果につながらない行動を無意識に繰り返して疲弊してしまっているケースも散見されます。
今回は、現場が納得感を持ち、自ら思考して行動を起こせるようになるためのKPI設計についてご紹介します。
目標達成のカギは「逆算型KPI設計」
目標達成の期限が迫ると、つい架電数や商談数ばかりを追いがちです。しかし、本当に大切なのは、その数字の“裏”にある要素を見極めることです。
たとえば「あと何件電話すれば売上目標を達成できるか」という問いに対し、勘や過去の経験に頼って数字を出すのは適切ではありません。売上目標を細かく分解し、そこから論理的に具体的な数字の見通し(仮説)を導き出すことこそが重要です。

BtoB営業における売上目標は、会社によって多少の違いはあるものの、一般的に次のようなKPIを通じて数値化・構造化することができます。
- KPI 1:アポ獲得率(架電→アポ)
- KPI 2:案件化率(初回商談→案件化)
- KPI 3:受注率(案件→受注)
売上目標【KGI】= リード数 ×【KPI 1】×【KPI 2】×【KPI 3】× 商材単価
実は、この3つのKPIを、自社・自部門の過去データから導き出すことで、営業1人ひとりに必要な活動量が逆算できます。
次のページでは、「逆算型KPI設計」を実践し、部下1人ひとりに必要な行動量を導き出した実例をご紹介します。