CISの立ち上げと設計方針
セールスリクエストでは、自社でのCIS実践経験をもとに、クライアント企業への導入支援も行っています。立ち上げにあたっては、次の要素が重要になります。
・CRM上の顧客データ整備とスコアリング設計
誰に、いつ、何を提案するかというアプローチ優先度を可視化します。
・顧客タイプ別のシナリオ設計
顧客の状態・組織・役職・利用フェーズに応じた情報整理と提案設計を行います。この「個別最適」の積み重ねこそが、LTV最大化と営業成果の土台となります。
・トークスクリプトやテンプレートの整備
PoCやアップセルに必要なトークスクリプトやテンプレートを整備します。CISの現場に再現性を持たせることが重要です。
・業務設計とKPI設計
FS(フィールドセールス)やCSと連携する際の役割分担も明確にする必要があります。
また、活動の定着には、定期的なレビューとフィードバックの仕組みも欠かせません。成果の可視化と、改善の積み上げこそが、CISの機能を進化させていきます。
まとめ:個別最適をかなえるOne to Oneの営業戦略へ
CISの導入は、単なる「既存顧客への追加提案担当をつくる」という話ではありません。
アップセル・クロスセルを事業成長の新しい柱とすべく、見逃されていた機会を発見し、丁寧に拾いにいける体制を持つ。既存顧客を“育てる”だけではなく、“さらに広げ、より深く価値提供していく”。CISは、そんな未来志向の営業スタイルを支える、成長フェーズに不可欠な戦略です。
とくに、顧客それぞれに合わせた“One to Oneマーケティング”の視点を取り入れることで、画一的な接点では見落としていた変化やシグナルを拾い上げ、より高精度でタイムリーなアプローチが可能になります。
本連載では今後、「インサイドセールス × One to Oneマーケティング」の思想を軸に、CISに限らず、意思決定者に個別最適でアプローチするCxOレターや、営業活動におけるAI活用の実践例のような、より広いテーマも取り上げていく予定です。ぜひ引き続きご期待ください。