通話品質と録音データの出力スピードに課題 “トスアップの遅れ”にも影響
インサイドセールス部門の業務は、イベントやコンテンツをきっかけに製品に興味を抱いた見込み顧客への対応(SQLの創出)をはじめ、検討初期段階の顧客への製品説明をともなうウェブ会議、顧客接点を継続するナーチャリング対応、ターゲット企業に対するアウトバウンドコール業務など多岐にわたっている。その中で、実際に現場でコール業務を担当しているインサイド営業部 第3G 宮田氏は、IP電話システムの性能に起因して、業務面でもさまざまなシーンで停滞が発生していたと話す。

「以前の電話システムでは、仕組み上ブラウザを立ち上げていないと着電に気がつかず、IP電話に電話をかける際には制限もありました。とくに問題だったのが、通話の録音データの出力に時間がかかることです。我々は毎日何本も電話をしてそれぞれの内容をまとめるのですが、通話後すぐに聞き返しや要約作業に入ることができませんでした。これにより業務生産性が低下し、案件確度の高いリードをフィールドセールスに渡すタイミングが遅れてしまうという問題も生じていたのです」(宮田氏)
そこでインサイドセールス部門では、もともとナーチャリング活動時にウェブ会議システムとしてZoom Meetingsを使用してamptalkと連携させていたこともあり、システム連携面も考慮して、従来の電話の仕組みをZoom Phoneに置き換えることにした。以前からZoom製品の導入でつながりのあった双日テックイノベーションからサービスを購入。導入期間は2ヵ月弱で、無事稼働にこぎ着けることができたという。
「双日テックイノベーションさんとは、ビデオ会議システムのZoom Roomsの導入において最初の接点が生まれました。当時のウイングアーク1stでは、会議室でタブレットとZoom Roomsを用いてウェブ会議を行い、その内容をパソコンで管理するスタイルを模索していました。さまざまなパートナーを検討する中で、当社が希望するシステムの使い方の導入事例を持っていることが決め手となり、それ以来、Zoom製品の導入をお手伝いいただいています」(國京氏)
SQL件数が増大! Zoom Phoneを軸にシステム連携を強化
業務の流れとしては、顧客が流入してくるとSalesforceに顧客情報が登録され、架電時にはパソコンからZoom Phoneで行う。担当者が架電結果を登録する際は、ウイングアーク1stのデータ可視化ツール「MotionBoard Cloud for Salesforce」の画面上に活動内容を入力すると、Salesforceに登録される仕組みとなっている。そのうえで録音・録画データを自動的にamptalkへ連携させ、生成された文字起こしや搭載されているAIを介した商談解析結果から振り返りや情報共有、イネーブルメントに活かす仕組みとなっている。

Zoom Phoneへの移行により、インサイドセールスの業務に多くのメリットが得られているという。
「管理面での懸案事項だったコスト問題は、定額利用制により解決できました。新卒や新人研修受け入れ時のライセンス付与もかんたんになり、コールキュー機能を活用してSDRとBDRの業務ごとに電話番号を分け、どちらに対してかかってきた電話かを把握できるようになったため、電話の管理が楽になるだけでなく、それぞれが担当業務に集中できるようになりました」(井上氏)

現場でも、顧客対応時や日々の業務に関して、さまざまな効果が得られているとのこと。
「通話品質が大幅に向上し、不具合はなくなりました。留守番電話がSlackと連携し、留守電があると不在通知が表示されるため、受電時の見逃しもなくなり折り返しもしやすくなっています。何よりZoom Phoneの素早い録音再生機能によって、通話中の内容確認や通話直後の要約が行えるようになり、業務生産性が向上しました。コロナ後にSQL件数が伸びている背景にも、Zoom Phoneの導入が寄与していると思います」(宮田氏)