BtoBコミュニティを構築する3つの目的
BtoBコミュニティを構築する目的は大きく3つに分類できます。ひとつめは「LTVの向上」。具体的には満足度向上によるチャーン(解約)防止や、クロスセル/アップセルです。ふたつめは「コストの削減」で、コミュニティメンバー同士の助け合いによりサポート工数が削減されます。また、サポートに問い合わせずに問題を抱え続ける顧客も少なくありません。コミュニティという場で、自分と類似した境遇のユーザーからの「よくある質問」とその回答が蓄積されることで、問題解決につながることもあります。
そして3つめが「新規獲得への活用」です。コミュニティでの交流や課題解決によって、さらに満足度が上がることで顧客が“ファン“となり、自社製品の良いところを広げることに協力してくれたり、そのコンテンツを営業活動に利用してくれたりすることが期待できます。
もしかしたら、つながりのある企業を紹介してくれるかもしれません。コミュニティメンバー同士のコミュニケーションの発生によって成果が期待できる「コスト削減」にくらべ、継続して満足度を高めていかなければならない「LTV向上」や「新規獲得」はさらに長いスパンが必要です。
これらの目的を達成するためのKPIを設定する際、コミュニティはあくまでもひとつの施策でしかないと念頭に置くことが大切です。そのうえで、たとえば解約を阻止したいなら、実際の解約理由や要因をヒアリングして整理し、それに対してコミュニティがどう貢献できるか考える。そのようにキーサクセスファクターを特定したうえでKPIを設計していくのが基本的な考え方です。
課題が明確で、キーサクセスファクターの洗い出しができれば、すぐに目指すべき方向性が明確になります。しかしビジネス環境は3ヵ月程度で変わり得るため、モニタリングと再設計を繰り返してブラッシュアップしていきましょう。次のページでは、コミュニティ設計のステップについて具体的に解説します。