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SalesZine Day(セールスジン・デイ)とは、テクノロジーで営業組織を支援するウェブマガジン「SalesZine」が主催するイベントです。 丸1日を通してSales Techのトレンドや最新事例を効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

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大手企業への営業戦略と実践~持続的な事業成長に向けて~ 『エンタープライズセールス』出版記念イベント by SalesZine

2024年11月20日(水)15:00~17:10

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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営業×AI活用事例

若手も"熟練技"を実践できる 富士通の営業組織がプロセスの型化×AI活用で見せた効果

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営業現場でのAI活用のヒント「Go-Teian」を作成

──ここからAI活用についてもどんどんうかがえればと思います。まずは、AI活用の全体像や利用状況について、教えてください。

淺間 社内向けの生成AIサービスを、2023年5月にリリースしました。現在アクティブに使っているユーザーは全社で3万3,000人ほどになります。

 また、われわれ社内IT部門からアプリだけでなく、APIも提供しており、こちらの利用が約半数を占めます。エンジニア気質の社員が多いのか、APIを自分の業務に組み込んで自動化するなど、社員自身による市民開発でもさまざまな活用が進んでいます

 その結果、データ分析によって生成AI活用により1年間で92万時間ほど残業時間が削減できていることがわかりました(「Fujitsu Kozuchi 因果分析」を使用)。オフィスでも生成AIについての話がよく飛び交っていて、組織として当たり前に使われている雰囲気できつつありますね。

富士通株式会社 デジタルシステムプラットフォーム本部 Chief Architect AIチーム マネージャー 淺間康太朗さん

──営業現場で活用されているAIツールには、どういったものがありますか。

中山 たとえば、富士通独自のインタビュー手法をサポートしてくれるツールがあります。インタビューのラフな書き起こしを入れるだけで、内容を構造化した議事録のかたちにしてくれます。

 リードセールスのアプローチにおいては、初めて会うお客様をよく知るためにこのインタビュー手法を実施することがあります。このインタビューは優れた手法なのですが、インタビュー内容の資料化が複雑で素人がすぐにまねできるものではありませんでした。しかし、このツールを使うと、インタビューが未熟でも補って構造化してくれるのです。

淺間 熟練スキルを誰でも使えるようにするためのAI活用は、早い段階から取り組んできましたね。

 たとえば、社内に散らばったナレッジを横断的に検索できるチャットボットや、富士通の数ある製品・サービスを検索し、お客様の課題にあったものを提案してくれるツールなど、サービスを熟知していないと難しい提案も、AIに頼ることで、若手メンバーでもできるようになるのです。

中山 ほかにも、企業名を入れると必要な分析を一発で出してくれるツールや、今ホットなトレンドをベースにビジネスアイデアの仮説をつくってくれるツールもあります。

──こういったツールを営業現場で活用推進するために、どういった工夫をされていますか。

中山 先ほど説明した、商談発掘からワークショップまでの3つのプロセスを中心にBPが活用できるAIツールやプロンプトが詰め込まれたアプリ「Go-Teian」を何人かの有志で市民開発しました。

淺間 生成AIにかなり乗り気な社員が多く、営業現場を効率化しようと自分たちで生成AIを使って開発したり、われわれIT部門に相談したりと、AIツールが一気に増えました。便利になってきているものの、今からAI活用をスタートする人からすると、ツールがありすぎて何を使えば良いかわかりません。

 そこで、今はツールやユースケースを生成AIエージェントを介して集約する取り組みも走っています。

 裏でさまざまなツールが動いて、社内の“暗黙知”まで含めたナレッジを検索したり、提案をしてもらえたりする機能を実験的に挑戦しています。

 たとえば、BPの若手メンバーが初めて訪問する際に、通常ならBP部門の本部長が「俺だったらこうやって提案する」と助言するところ、AIエージェントがさまざまなノウハウやツールを駆使して、代わりにアドバイスしてくれるイメージです。

──AIツールを使いこなすために、営業メンバー向けにプロンプトの研修なども行っていますか。

淺間 それはあまりやらなくなったな、と思います。生成AIは、自然言語で聞けるのがすばらしい点です。企業全体でフル活用することを考えると、プロンプトのノウハウやスキルを鍛えていくというよりは、「どんな聞き方をしても返ってくる」ツールを提供したい。なので、プロンプトエンジニアリングの講座はここ1年くらいやっていないような気がします。

 社内講座では、むしろ「AIってこういうものだよ」「なんて聞いても良いんだよ」と、なるべくハードルを下げるようなハンズオンを実施しています。

淺間 AIを使うためにAIを使いにいくのではないと思っているんです。普通に仕事をしていたら必然的にそこにAIがいて、恩恵を受けているという状況をつくりだす。それが利用率を伸ばすうえでも、実際に効果を出すうえでも重要だと考えているので、今はそのためのさまざまな手法を試しているところです。

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営業の生産性が向上、若手の動きに変化も

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この記事の著者

SalesZine編集部 宮田華江(セールスジンヘンシュウブ ミヤタハナエ)

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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岡田 果子(オカダカコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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