1999年からスタート NECネッツエスアイのSFA活用
徳田(NTTコミュニケーションズ) 各社の営業改革に迫る連載、記念すべき第1回です。齊藤さんは非常に長く営業改革、SFA活用に携わっていらっしゃいますよね。
齊藤(NECネッツエスアイ) 1994年に日本電気システム建設(現:NECネッツエスアイ)に入社し、営業に14年、SFAを含めたICT支援に16年携わってきました。営業としては、商社から特殊法人、中堅・中小企業の新規開拓まで、さまざまな経験を積みましたし、SFAについても黎明期である1999年ごろから利用者として活用してきました。
現在は、SFA活用のみならず、MA活用やセールス・イネーブルメントにもチャレンジしています。
徳田 まず気になったのが、1999年ごろのSFAと言うと……。
齊藤 いちばん最初に使ったのは、Lotus Notes(ロータスノーツ)ですね。バブルがはじけて、営業リソースも少ない中で、「チームセリング」を目指し活用をスタートしています。現在の会長の牛島を含めたトップ営業たちの知見を盛り込んでシステム構築しました。ただ正直、週報・月報の域を出ない活用となっていた部分はありました。
そこから時代が進み、SFAが世の中でもだいぶ浸透していきます。2009年ごろに新しいSFAへの切り替えを行いました。目的はデータ化で、一部実現できたものの、データベースの構造が複雑で外部とのデータ連携の難易度が高く……。営業数字を予測・管理するためだけのツールになってしまったんです。
そこで2019年にSalesforceの導入に踏み切りました。我々が実現したかったアカウント攻略の高度化、顧客中心のセールス・イネーブルメントの取り組みに向けてあらゆるソリューションを柔軟に連携できる点が決め手になりました。
徳田 ロータスノーツ、懐かしいですね(笑)。前のSFAの導入から、Salesforceの導入まで約10年ほどが経過していますが、その間でSFA活用はどのように進化したのでしょう。
齊藤 勘定系のデータとコネクトしたことで、過去実績からお客様との取引のポテンシャルなどが可視化され、一部アカウントプランの作成などに活用できるようになりました。データを入力する環境も一定整ったと思います。一方で、この間に組織の人数がかなり増加したうえに、各地点に営業が散らばっていて施策もそれぞれ異なっていたため、シンプルな数字以外のデータの統制がとりづらくなったという課題がありました。
徳田 入力される「データの質」は、導入当初はどうでしたか。人によってばらつきが大きいという課題をよく耳にします。
齊藤 かつてはかなり感覚的でしたし、やっぱり……隠すんですよね(笑)。徳田さんも以前どこかでおっしゃっていましたが、受注日にすべてを入力するいわゆる「ゼロDay受注」が発生していました。
徳田 よくあることですが、なぜ現場の営業は数字を隠してしまうんでしょうか。