「イーブン」なマネージャーに求められる4つの役割
『急成長を導くマネージャーの型~地位・権力が通用しない時代の“イーブン"なマネジメント』(長村禎庸 著、技術評論社)を著した長村氏は、歴史あるリクルート、メガベンチャーのディー・エヌ・エーを経験したのち、ベンチャー企業のハウテレビジョンを2年で東証マザーズ上場へ導いた。その経験と知見を体系化したのが本書である。
ベンチャー企業は急成長志向で事業基盤は弱い特殊環境だと長村氏。そこでマネージャーが求められる「4つの役割」を説明した。
- 「経営」からオーダーされた成果を残す
- 人的資産を維持・活用する
- 人を育てる
- 会社の中でチームを機能させる
「『成果を残すための手段として、ほかの3つがあるんですよね』というご質問をよく受けますが、それは違います」(p47)と長村氏。会社全体の短期的・中長期的な成果を生み出すため、4つの役割は並列で重要だ。一方、その比重はステージによって異なるため、マネージャーは自社の現状に合わせてバランスを見極めなければならない。
先ほども述べたように、ベンチャー企業は経営者ですら「プレイングマネージャー」です。(中略)マネジメント専業者がいない環境で、状況もコロコロ変わる中で「あなたの役割はこれですよ」なんて決めて教えてくれる人などいません。すべては自分で考えるのです(p53)
「技術と人間性」の両輪で急成長を導く
本書では、戦略立案から組織構築、進捗管理や評価、メンバーとのコミュニケーションなど、急成長を導くベンチャーマネジメントの技術を「型」化し、詳細に解説している。しかし同時に、「いくら技術を身につけたところで、正しいあり方・人間性が備わってなければ、その技術は活きません」(p302)と長村氏。技術を活かす最後の「型」として、ベンチャー企業のマネージャーが意識すべき「立ち位置」と「心得」も解説した。
終章では、成果に“執着”していた長村氏が、「良いマネージャー」とは何か、ひとつの解を見出すまでが記されている。今まさにマネージャーとして活躍している人、マネージャーを目指している人、そして「わざわざマネージャーなんてなりたくない」と思っている人にも、ぜひ本書を手に取り、これからの時代に求められる「イーブンなマネジメント」について考えてみてほしい。
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