営業プロセスを可視化して「真の目的」を理解
これからご紹介する「ステップ営業法」は、売れている営業が無意識あるいは意識的に行っている営業活動の流れを可視化したものです。 感覚的に行動するのが苦手な私が論理的な裏づけを基に考え出したものですから、私のような内向的な性格の部下を指導する際はまさにうってつけの営業法と言えるでしょう。
ステップ営業法には、真新しいものはひとつもありません。普段皆さんが使っている用語ばかりです。しかし、皆さんは「これらのプロセスの意味をきちんと理解している」と自信を持って言えるでしょうか?
「アイスブレイクが苦手で場が盛り上がりません」「ヒアリングシートどおりに聞いているのに、いつも抜け漏れがあるんです」「商品説明がぎこちないせいで、お客様が話を聞いてくれません」 「クロージングで最後のひと押しができず、契約を逃してしまいます」……。一見、自分の欠点をきちんと分析しているように見えますが、各プロセスの目的を間違って解釈している人は案外多いのです。その場合、どんなに行動しても結果にはつながらないでしょう。
この積み重ねで「やはり自分は営業には向いていないんだ」と営業を辞めてしまう人は多いですが、これは非常にもったいない。このような事態を避けるため、まずは営業活動の各プロセスにおける真の目的を理解しましょう。
新規開拓 | 商品に興味がありそうな相手を探す作業 |
アイスブレイク | 警戒している相手のガードを下げる作業 |
ヒアリング | 売るべき相手かどうかを確認する作業 |
商品説明 | 相手に合わせた説明をする作業 |
クロージング | 迷っている要因を取り除く作業 |
フォロー | 相手との関係を構築する作業 |
真の目的を理解すると、行動のとらえ方が変わってきます。たとえばアイスブレイクで言葉巧みに会話を盛り上げる真の目的は「相手の警戒心を取り除く」こと。場を盛り上げたり笑わせたりすることは、単なる“手段”に過ぎません。
ちなみに私のアイスブレイクは、できるだけ相手に話してもらいます。おもしろい話などは一切しませんが、相手の警戒心を下げることができています。どんな手段であれ、お客様の警戒心を下げられたら、アイスブレイクの目的は達成できたと言えるでしょう。