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営業の仕事は「売る」ことなのか? 「Buyer Enablment」をめぐる冒険

2024年7月12日(金)13:00~18:20

常に高い売上目標を達成し続けなければいけない営業組織。先行きの見通しが立たない時代においても成果を挙げるためには、過去の経験にとらわれず、柔軟に顧客や時代に合わせて変化し続けなければなりません。変化に必要なのは、継続的な学びであり、新たなテクノロジーや新たな営業の仕組みは営業組織の変化を助け、支えてくれるものであるはずです。SalesZine編集部が企画する講座を集めた「SalesZine Academy(セールスジン アカデミー)」は、新しい営業組織をつくり、けん引する人材を育てるお手伝いをします。

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セールスコピーライティングから学ぶ! 「人を動かす」営業スキル

“購買決定を妨げる要因”を取り除く──成約前の最後のひと押し「リスクリバーサル」

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 一般的に、コピーライティングは「書く技術」ととらえられています。しかしその本質は、「言葉というツールを用いて、人の行動をうながすこと」。だから顧客に“購買”という行動をうながす営業職とも共通する部分が多々あるのです。本連載では、アメリカで100年以上続く不変・普遍のスキルであるコピーライティングの原理原則を通して、営業職のノウハウを再現性のあるスキルに高めることを目指します。解説は、大手企業でのBtoB営業の経験豊富なマーケティング・コピーライターであるアルマ・クリエイションの衣田 順一氏。第5回では、成約に向けた最後のひと押しとなる概念、「リスクリバーサル」をお伝えします。

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「損したくない」は「得したい」より2倍のインパクトがある

 対面で商談していると、お客様が食いついているのか、それとも退屈そうにしているかは比較的よくわかるでしょう。「これは買ってもらえそうだ」と感じたとき、再度メリットを伝えるのも大切ですが、顧客が購入するうえで障壁となっているもの=顧客が感じるリスクを取り除くことも効果的です。今回は、成約に向けた最後のひと押しとなる「リスクリバーサル」という概念をご紹介します。リバーサルとは“反転”という意味で、買い手が感じているリスクを売り手に反転させ、安心してもらうという概念です。

 行動経済学では、人間は「得をしたい(=理想的な状態を手に入れたい)」という気持ちよりも、「損をしたくない(=問題から逃げたい)」という気持ちのほうが強いことがわかっています。

 興味深い事例として、ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの行動経済学者、リチャード・セイラーが行ったマグカップを用いた実験があります。リチャード・セイラーらの著作より、要約して紹介しましょう。

 ある大学で、クラスの学生の半分に、その学校の校章マークが入ったマグカップが渡されました。残り半分の学生には、近くにいる学生にマグカップをよく見せてもらうよう指示します。その後、マグカップを持っている学生には「いくらならマグカップを売っても良いか」、マグカップを持っていない学生には「いくらならマグカップを買っても良いか」をたずねました。その結果、何度実験を繰り返しても、マグカップを売っても良い=手放しても良い金額は、マグカップを買っても良い=手に入れたい金額の約2倍となったのです。

※『実践行動経済学』(リチャード・セイラー、キャス・サンスティーン著、遠藤真美訳、日経BP社)をもとに筆者要約 

 マグカップの実験から、何かを手に入れたい欲求より、今持っているものを手放す抵抗感のほうが2倍強いことがわかります。

 人が何かを買うのは、「それを買うと良いことがある」と期待するからです。しかし同時に、「損をしたくない」という気持ちも生じます。買っても損をしないことがわかれば買わない理由がなくなり、購入のハードルはかなり低くなるでしょう。とくに初めての取引では、顧客はサプライヤーに対して「この会社/営業担当を信用して良いのだろうか?」というリスクを感じやすいので、リスクリバーサルは必ず意識すべきだと言えるでしょう。

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「手術に失敗したら返金します」は安心できるか?

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この記事の著者

SalesZine編集部 高橋愛里(セールスジンヘンシュウブ タカハシアイリ)

1992年生まれ。新卒で総合情報サービス企業に入社し、求人広告の制作に携わる。2023年翔泳社入社。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://saleszine.jp/article/detail/5156 2023/10/03 07:00

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