なぜトップ営業は“自腹を切る”のか
今まで多くの成功者やトップ営業スタッフとお会いしてきた。もちろん、きらびやかな高級品を身に着けている人もいた。しかし、長期間活躍している本物のトップ営業スタッフは贅沢品にあまりお金を使っていない。
清潔感はあるものの、持ち物や身に着けている物は普通。ただ、倹約家というわけでもなく、パッとお金を使う。とくに良いと思ったものは“考える前に買ってしまう”ことが多い。キチンと判断する前に支払いを済ませている、といった感じだ。
たとえば知人のトップ営業スタッフはまさに、すぐに買うタイプ。「この健康食品が良いですよ」という話題が出た途端、相手に「ちょっとすみません」と断りを入れてスマホを操作し、その場で購入する。とにかく行動が早いのだ。その営業スタッフは時々、届いた商品を見て「これは本当に自分で買ったのか?」とまったく思い出せないときもあるというが。
あるとき、その営業スタッフに私の著書を献本したところ、お礼を言ったうえで「もう1冊自分で買わせていただきますね」とその場でネットで注文してくれた。私としてはありがたいが、はじめのうちはこういった人たちの衝動的な行動を見て、「お金をたくさん稼いでいるからなのかな」などと思っていた。
しかし、理由はそうではなかった。トップ営業スタッフは“自腹を切ることで学びが多くなる”ことを知っていて、意図的に取り組んでいるのだ。