Face to Faceのスタイルが通じなくなったコロナ禍
――御社のサービス内容と高野さんの所属する部署についてお伺いできますでしょうか。
「ヒューマンリソシア」は、人材派遣や人材紹介、業務受託などの事業を展開する総合人材カンパニーとして、企業様の人材確保を支援しています。私はその中で海外のIT人材を日本の企業に紹介する専門部門「グローバル・IT・タレント(Global IT Talent=GIT:ギット)」の、東日本エリア営業部の責任者を務めています。わかりやすくお伝えすると、海外の優秀なITエンジニアを日本国内の企業に派遣するサービスです。
――コロナ禍ではどのような影響を受けたのでしょうか。
大きな影響を受けましたね。それまでの営業スタイルを変えざるを得なくなったことが第一です。次に、入国規制が敷かれ、海外から日本に入国できなくなってしまいました。コロナ禍以前はFace to Face、対面でのコミュニケーションを非常に大事にしてきました。なぜなら、私たちが展開するサービスは「人材」で、「モノ」を売るのとは違います。派遣する方と受け入れる企業様の相性を見極める必要もありますし、対面のコミュニケーションだからこそサービスの魅力を伝えられるということもあります。
しかし、リモートワークが主流になったコロナ禍以降、対面でのコミュニケーションを避けざるを得ません。顧客企業に訪問する際には「今日、御社にうかがっているのですが、ご挨拶よろしいですか」とほかの部署も訪ねることも多かったのですが、ご担当者様が出社されていないことも増え、それもできなくなってしまいました。私たちとしては、「お客様との接点をなくしたくない」という思いが強く、どうすればこれまで以上に、お客様と深い接点を持つことができるのかが大きな課題となりました。
ビジネスとしては、入国制限の影響も大きいです。当社にて内定を出し、採用が決定しているエンジニアが来日できず、企業様の人材ニーズに対応できないケースが多々発生するなど、大きな打撃を受けました。現在は「海外リモートワーク派遣」として、入国するまでの間はエンジニアが海外からのリモートワークで国内の開発プロジェクトに参画する事例も増えてきています。