「プロセス」重視のカルチャーで確実に成長する
――ラクスの事業概要、そして主力商品である「楽楽精算」についてご紹介ください。
名和 当社はクラウドサービスやITソリューションの提供を通じた顧客企業の継続的な成長への貢献をミッションに掲げる企業です。その中でも私が統括する「楽楽精算」の部門では、日々の経理・精算業務で発生するお悩みを改善・解消し、関連部門に寄り添いながら企業の健全化へ寄与することをビジョンに掲げています。ありがたいことに、多くのお客様の信頼を獲得し、現在は累計で約1万社への導入実績がございます。
そんな「楽楽精算」は、ラクスにとって会社全体の事業グロースを牽引すると同時に、新たな事業活動にチャレンジしていく、いわば「パイオニア」のような存在です。実際、「楽楽精算」は事業活動や人的リソース、プロモーションの面では社内でもっとも大きな予算が投じられているため、さまざまな挑戦をしてきました。もちろん失敗することもありましたが、「楽楽精算」でのチャレンジや経験を通じて社内で新たな制度や仕組みが創出されたり、社内の他事業に展開されたりする事例も少なくありません。
――事業を牽引しながら新しい挑戦にも挑む。高い目標を掲げながらも業績を高め続ける「楽楽精算」の営業組織の強みはどのような点にあるのでしょうか。
名和 これは当チームに限らずですが、ラクス全体に「ロジカルな文化」が浸透している点は強みであると感じます。もちろん売上をはじめとする数字へのこだわりの強さも備わっていますが、成果と同じくらい、あるいはそれ以上にプロセスを重視しています。
たとえば、メンバーが成果を上げた際には「よかったね、おめでとう」で終わらせるのではなく、その過程を「達成の背景にはどのような要因や行動があったのか」「そのプロセスに再現性はあるのか」とロジカルに分析・共有するというアプローチをとっています。もちろん、成果が得られなかった際にも同様で、そこに紐づく理由や行動などを数値化して、「足りなかった部分をどう補完するか」「現状の行動量に対して現在設定している目標は適切か」などを、数字を可視化しながら共有するわけです。こうした考え方が上層部や上長だけでなく、社員1人ひとりに浸透している点が当社の強みです。
この文化は、社内でも「楽楽精算」のチームで色濃く表れているように思います。プロセスに対する深い分析や共有を通じて、1人ひとりが成長していく――その成長こそが、事業の伸長に大きく貢献していると自負しています。
――プロセスを重視するロジカルな文化はここ数年の間に醸成された考え方なのでしょうか。
名和 少なくとも2013年に私が入社した時点では、成果ではなくプロセス・成長を重んじるカルチャーはすでに醸成されていました。
私の経歴をかんたんにお伝えすると、新卒入社した商社で12年間務めたのちにラクスに転職をしたかたちです。前職は同期の9割が半年で退職してしまうほどのハードな環境でしたが、なんとか踏ん張って成果を上げていましたね。役職につきマネジメントも任され、営業パーソンとして経験を重ねる一方で、「自分の今のスキルは他社で通用するのか?」と漠然とした不安が常につきまとっていました。振り返ると、「とにかく頑張る」ことで成果を出し続けていたため、明確な成長実感が得られていなかったのだと思います。実際にラクスの面接を受けた際、面接官から言われた「当社では『成果』ではなく『成長』を大切にしています」という言葉に「まさに自分が欲していた環境だ!」と入社意欲が高まったことを覚えています。
――当時の面接官の言葉のとおり、入社してから現在に至るまで成長に向けた建設的なアプローチをご自身が実感されてきたのですね。
名和 私がもっとも象徴的であると感じる取り組みは、上長と月に一度行う1on1形式の「目標面談」です。達成した成果に対する評価が行われるのはもちろんですが、より重視しているのが「ラクスが求める人物像」としてのコンピテンシー評価。たとえば、成果が得られた・得られなかった理由として、「どのような点で成長したか」「何が不足しているのか」を定量的・定性的に分析し、「不足しているスキルを補うために取り組むべきことは何か」と、具体的な行動目標が明確化するまで問いを重ねていくわけです。
営業パーソンを評価する際には「成果さえ出ていればそれでいい」「成果が出ていないならとにかく頑張れ」と、良くも悪くも成果の話に終始しがちですが、我々は「頑張れ」のひと言では終わらせません。PDCAサイクルを回しながら、チーム全員が継続的に成長し、成果を上げられるようなプロセスを各人で模索していきます。そうした日々の地道なコミュニケーションがメンバー1人ひとりの着実な成長につながり、やりがいや成果につながっていると思っています。
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