テックタッチは、すでにDAP(※)を導入済みの企業に勤務し、導入推進または運用・活用に関わる責任者・担当者110名に調査を実施した。
※DAP(デジタルアダプションプラットフォーム)とは、システムの操作方法を画面上で案内するツール。ガイドやポップアップを表示することで、マニュアルなしでも直感的に使えるよう支援する

DAPは、複数システムへの展開が主流に 一部でDX基盤化の兆しも

「Q1.お勤め先のデジタルアダプションプラットフォーム(DAP)の活用状況は、以下のどれに最も近いですか。(n=110)」と質問したところ、「レベル2:複数アプリケーション・システムに展開し、ユーザー操作の可視化やデータ取得も一部実施している」が38.2%、「レベル1:単一アプリケーション・システムでガイド表示やポップアップなど基本機能の一部を業務で利用している」が21.8%となった。
一方で、「レベル5:DAPが全社的なDX推進の基盤となっており、業務改善やKPI管理の中核として組み込まれている」(8.2%)など、全社的なDX基盤としての活用が一部で始まっていることがわかった。
半数以上がDAPを複数部門で導入 約3割は「全社的に導入」

「Q2.お勤め先のDAPの導入範囲はどの程度ですか。(n=110)」と質問したところ、「複数部門で導入」が51.8%、「全社的に導入」が31.8%、「特定部門のみ導入」が10.0%という結果となった。
DAP導入先システムトップ3は「人事・給与・勤怠システム」「CRM/SFA(Salesforce等)」「経費精算システム」

「Q3.DAPを導入している主なアプリケーション・システムを教えてください。(複数回答、n=110)」と質問したところ、「人事・給与・勤怠システム」が58.2%、「CRM/SFA(Salesforce等)」が50.9%、「経費精算システム」が47.3%という結果となった。
DAPの主な導入目的は「ヘルプ対応の負担軽減」「利用率向上」「システム移行時のサポート」

「Q4.DAPを導入した主な目的は何ですか。(複数回答、上位3つまで、n=110)」と質問したところ、「システムサポート・ヘルプデスク負担の軽減」が52.7%、「業務アプリケーションの利用率向上」が40.0%、「システム移行・アップグレード時の支援・サポート」が26.4%という結果となった。
DAPの推進・管理部門は「DX推進部門」が中心も、人事・事業部門など現場主導の動きが顕在化

「Q5.DAPの主な推進・管理部門はどこですか。(n=110)」と質問したところ、「DX推進部門」(49.1%)が最多だったが、「人事部門」(20.0%)や「各事業部門」(7.3%)も一定の割合を占めた。
IT部門(18.2%)を上回る結果となったことから、DAPは現場部門での導入・活用が進んでいることがうかがえる。
約7割がDAP導入による費用対効果(ROI)を評価

「Q6.DAPの導入による費用対効果(ROI)を教えてください。(n=110)」と質問したところ、「非常に高い費用帯効果(30%以上の投資効率)」が20.9%、「やや高い費用対効果(10~30%の投資効率)」が48.2%、「中程度の費用対効果(0~10%の投資効率)」が23.6%という結果となった。
DAPの選定基準は「既存システムとの連携のしやすさ」と「分析機能・レポート機能の充実度」が最多

「Q7.お勤め先でDAPを選定した際の重要ポイントは何でしたか。(複数回答、上位3つまで、n=110)」と質問したところ、「既存システムとの連携のしやすさ」と「分析・レポート機能の充実度」がともに40.0%で最多となった。
「使いやすさ」や「カスタマイズの柔軟性」も約3割に上り、現場での活用定着や効果の可視化を重視する傾向が見られた。
DAP導入は連携の難しさとROI測定が障壁に

「Q8.DAPの導入・運用を行う際に、課題となったことを教えてください。(複数回答、上位3つまで、n=110)」と質問したところ、「既存システムとの連携が複雑」が56.4%、「投資対効果(ROI)の測定が難しい」が44.5%、「専門知識を持った人材の確保・育成」が32.7%という結果となった。
DAPの今後の活用計画、適用範囲の拡大と機能拡張が中心に

「Q9.今後のDAPの活用計画について教えてください。(n=110)」と質問したところ、「適用範囲を拡大予定」が50.0%、「機能を高度化・拡張予定」が24.6%、「別のDAPへの移行を検討中」が10.9%という結果となった。
【調査概要】
調査名称:DAPの導入効果と活用に関するレベル別実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー」の企画によるインターネット調査
調査日:2025年6月26日
有効回答:すでにDAPを導入している企業に勤務する、DAPの導入推進または運用・活用に関わる責任者・担当者110名
※合計を100%とするため、一部の数値について端数の処理を行っている。そのため、実際の計算値とは若干の差異が生じる場合がある