法人向けに管理職コーチ「mento」を提供するmentoは、100人以上の企業に勤める会社員985人を対象に「管理職や昇進に関する男女意識調査」を実施した。
「管理職になりたい」意向は、女性27.8%、男性42%と女性のほうが約1割低い

「あなたは管理職になりたいと思いますか?」と質問したところ、女性メンバーは「とてもなりたい」が10%、「少しなりたい」が17.8%と約3割、男性メンバーは「とてもなりたい」が14%、「少しなりたい」が28%と約4割の人に意向があった。女性メンバーのほうが男性メンバーよりも約1割ほど意向が低いとわかった。
管理職になりたくない理由は「責任・プレッシャーが重い」がもっとも高く、女性は「仕事とプライベートの両立が難しい」、男性は「昇進しても報酬が魅力的でない」が続く

管理職になりたくない理由としてあてはまるものを質問したところ、男女ともに「仕事の責任・プレッシャーが重すぎる」で、女性は57.8%、男性は56.9%ともっとも高かった。男女の差を見ると、とくに女性メンバーは「仕事とプライベートの両立難しい」(女性50.8%、男性32.8%)、男性メンバーは「昇進しても報酬が魅力的でない」(女性29.9%、男性35.3%)が高い結果だった。
昇進意欲は、女性は「部長まで」、男性は「役員まで」がもっとも多い

「あなたはどれくらいまでキャリアアップ・昇進したいですか?」と質問したところ、女性管理職は「部長クラスまで」が31.3%ともっとも多く、男性管理職は「役員クラスまで」が23.4%ともっとも多い結果だった。
昇進する上でのハードルは「仕事とプライベートの両立」が多く、とくに女性は「働き方の過酷さ」「周囲のサポートが得られない」「自分にはリーダーの適性がない」が多い

昇進するうえでのハードルとしてあてはまるものを聞いたところ、男女ともに「仕事とプライベートの両立」で、女性は41.7%、男性は37.9%がもっとも高かった。男女の差を見ると、とくに女性管理職は「働き方がより過酷になる」(女性42.7%、男性30.3%)、「自分にはリーダーの適性がないと思っている」(女性20.6%、男性13.8%)、「ロールモデルの存在」(女性16.1%、男性3.8%)と、男性管理職よりもハードルがあることがわかった。
男女ともに7割の人が昇進やキャリアアップを諦めて仕事への熱量が下がる瞬間がある

「これまでにキャリアアップや昇進を諦め、仕事への熱量が下がった瞬間はありましたか?」と質問したところ、女性管理職は「度々ある」が35.1%、「少しある」が41.9%だった。男性管理職は「度々ある」が26.8%、「少しある」が42.1%だった。男女ともに約7割の人が、熱量が下がる瞬間を経験しているとわかった。
熱量が下がるきっかけは「正当に評価されなかったとき」がもっとも多く、とくに女性は「産休・育休から復帰するとき」「育児とのバランスが取れないとき」、男性は「正当に評価されないとき」「同僚が先に出世したとき」が多い

熱量が下がるきっかけとしてあてはまるものを質問したところ、男女ともに「正当に評価されなかったとき」がもっとも多かった。男女の差を見ると、とくに女性は「育児とのバランスが取れなかったとき」(女性30.4%、男性17.8%)、「産休・育休から復帰するとき」(女性27%、男性15%)だった。男性は「正当に評価されなかったとき」(女性39.2%、男性55.6%)、「同僚が先に出世したとき」(女性15.2%、男性21.7%)という結果だった。
育児について、子供のお迎えに対応するのは女性が5〜6割、男女半々が3〜4割、男性側が約1割

実際に育児について「あなたの家族では、子供を急にお迎えに行かなければいけないとき、どうしていますか?」と質問したところ、女性管理職は、「妻が迎えに行く」が15.7%、「妻が迎えに行くことが多く、たまに夫が迎えに行く」が29.6%だった。男性管理職は、「妻が迎えに行く」が26.9%、「妻が迎えに行くことが多く、たまに夫が迎えに行く」が30.6%だった。男女ともに約5〜6割は女性が対応、男女半々が3〜4割、男性側が1割という実態であることがわかった。
管理職や昇進への考えについて、男女ともに「管理職には決断力や強いリーダーシップが必要だ」がもっとも多く、とくに女性は「女性は男性よりも昇進しにくい」、「男性の方が経験・スキルが豊富である」「女性はリーダーよりもサポート役に適している」と考えている人が多い

管理職や昇進への考えについてあてはまるものを質問したところ、男女ともに「管理職には決断力や強いリーダーシップが必要だ」で、女性が55.8%、男性が57.9%ともっとも多かった。男女の差を見ると、とくに女性管理職は「女性は男性よりも昇進しにくい」(女性29.8%、男性11.5%)、「男性の方が経験・スキルが豊富である」(女性20%、男性11.5%)、「女性はリーダーよりもサポート役に適している」(女性12.8%、男性4.6%)と考えているとわかった。逆に、男性側はこのようなバイアスに気づいていない状況だった。
【調査概要】
調査名:管理職や昇進に関する男女意識調査
調査期間:2025年2月20日〜2月24日
調査機関:mento
調査委託先:ジャストシステム
調査対象:100名以上の企業で働く男女社員
有効回答数:985(女性管理職265、男性管理職261、女性メンバー259、男性メンバー200)
調査方法:インターネットアンケート