暗黙知をアクションに落とし込む。「ハンドブック」の理想的な構築法
──「思考」と「認識」をそろえ、最後の「行動」については、どのような取り組みを行っていますか。
桐原 「ハンドブック」の作成です。ハンドブックとは、個々のアクションの詳細やコンテンツ、学習プログラムのノウハウといった膨大なナレッジの集合体です。営業活動の全体像とフェーズごとの最適なアクションを設計することで組織全体の行動を統一し、勝ち筋を確実に実行していくための施策です。
メンバーへフィードバックを行う際も、個人の主観ではなくハンドブックに基づいて行うことで組織全体の「行動」の再現性を高めています。特に組織が拡大して新たなメンバーが増えていく過程では、ハンドブックなくして営業活動のゴールやアクションの統一は不可能でしょう。
また、CRM/SFAでデータを一元管理する際も、そもそも活動内容が整理されていなければ、必要な情報が集約されません。営業活動の実行と管理・運営の両面において、ハンドブックの設計を完了させることが極めて重要なのです。
さらに、ハンドブックはAI活用においても重要な役割を果たします。ハンドブックの内容をAIに学習させることで、AIのアウトプットが単なる汎用的なものではなく、自社の特性を反映したものになります。企業のアイデンティティを表現する基盤を構築するためにも、ハンドブックの設計は必要不可欠と言えるでしょう。
──ハンドブックを設計する際には、どのような点に注意すると良いでしょうか。
桐原 営業に関する知見やスキルは問わず、言語化と抽出を得意とする人材が鍵となります。そうしたメンバーがトップ層のAMにインタビューし、暗黙知を言語化して整理していく。これを繰り返し、ハンドブックを日々更新していくのがもっとも理想的な設計の進め方です。
第三者のフラットな視点で言語化されたハンドブックは、現場のハレーションも起こりにくく、スムーズに受け入れられるでしょう。カルテやレビュー、ハンドブックといった「共通基盤」は、現場で実際に活用され、フィードバックを基にアップデートを繰り返し、日々の営業活動に浸透して初めて意味のあるものになります。
──第3回では、設計した「共通基盤」をどのようにして現場に定着させるのか、具体的な取り組みを伺います。
