LTV最大化にむけた「キックオフ」と「卒業試験」の準備
キックオフ時にやるべきこと
オンボーディングの起点であるキックオフにおける最重要ミッションは、顧客が目指すべき「理想的な状態」を提示し、共通認識を築くことだ。
CSの仕事は「課題発見 → 解決提案 → 実行伴走」の繰り返しだが、課題(=理想と現実のギャップ)が曖昧なままでは機能しない。だからこそ、まず理想を言語化し、顧客と目線を合わせる必要がある。
顧客の熱量が高いキックオフ時は、意識が「具体的な操作」に偏りがちで全体像や将来像が見えていないことが多い。そこで理想の状態とメニューを提示し、理想の実現に向けた役割分担と推進体制を明確にする。
さらに、期間内の達成範囲や成果指標、継続判断の基準まで合意しておこう。
この合意こそが、オンボーディングを成功へ導く揺るぎない軸となる。
「卒業試験」で問うべき、たったひとつの質問
オンボーディングの最終地点である3ヵ月めに、「卒業試験(完了判定)」として顧客にアンケートを実施する。 取り組みの初期段階におけるアンケートは顧客による点数づけというある種の肌感や定性的な要素を含むものの、オンボーディングの成否をCS担当者の感覚ではなく、顧客によって示された数値で判断するためにも重要な仕組みだ。
ここで用意すべき設問はたったひとつ。「本日が契約の更新日だとした場合、貴社はどの程度契約を更新したいですか」というものだ。
この設問は将来の継続率を予測できる極めて強力な先行指標だ。このスコアが高く出ない限りオンボーディングが成功したとは言えない。
判断基準はシンプルだ。4点以上は合格、3点以下は要テコ入れ。3点以下の場合は、躊躇せず再オンボーディングを提案しよう。この判断を早く出せるかどうかが、解約を防げるかを大きく左右する。
実際に、筆者が見てきた数ある現場では3点以下の約75%が契約を更新しなかった。
ここまでオンボーディングの始点(キックオフ)と終点(卒業試験)で押さえるべきポイントを紹介してきた。ここからはその2点をつなぎ、誰が担当しても一定の成果を出せるオンボーディングプログラムのつくり方を解説する。
