多様化する宣伝ソリューションを届ける “直販部隊”
──おふたりのこれまでのキャリアについてお聞かせください。
伊藤 2007年に新卒でメ〜テレに入社し、最初は東京支社の営業部でスポットCMに関わる営業内勤をしていました。そこから7年間ほど、本社制作部や(人材交流先の)テレビ朝日、子会社のCS放送局で、バラエティー番組のAD、ディレクター、プロデューサー職を経験しました。その後東京支社の営業部に異動して販促企画担当となり、2022年の1月から本社のセールスソリューション部で販促企画を担当しています。
梅野 私は2022年に入社し、現在入社2年めです。2022年の6月に研修を終えてセールスソリューション部に配属され、インサイドセールスやイベント運営などを軸に、販促に関わる業務を担当しています。
──メ〜テレでインサイドセールスの組織を立ち上げた背景を教えてください。
伊藤 テレビを取り巻く環境の変化を受けて、メ~テレはここ数年、テレビCM以外の広告商材の開発に注力していました。具体的にはウェブメディアの立ち上げや屋外広告サイネージの展開などを通して商材を増やしてきましたが、創業以来のテレビCMを広告会社経由で売るという販売チャネルだけでは、多様化した商材を売っていくことが難しくなっていたんです。そのため、直販部隊が必要だろうと考えました。
──直販部隊をつくるとして選択肢はさまざまだと思いますが、インサイドセールスというアプローチを選ばれたのは伊藤さんだったのですか。
伊藤 そうですね。背景のひとつにはコロナ禍の2020年に注目されていたD2Cという顧客と直接つながってイノベーションを起こしたり、マーケットインの発想で商材をつくることの有効性を知ったりしたことが挙げられます。
また、これまでは広告会社を介していたこともあり、我々が接するのは宣伝予算が大きい企業ばかりでした。一方で我々の商材は、何億円、何千万円といった高額なものだけでなく、低価格帯のものもたくさんあります。そう考えると、我々のソリューションを使っていただけるお客様は日本全国にたくさんいるのではないかと気づいたのです。その良さをまだ知らない方たちに、少ない人数でどう効率的に接触していけば良いのか。BtoBビジネスの営業手法について他社の事例をリサーチをしたところ、インサイドセールスに取り組んでいる企業が多いことを知りました。
──インサイドセールスに取り組み始めた当初、ぶつかった壁などはありますか。
伊藤 広告会社さんに支えられて成り立ってきた業界のため、直販自体がある種のタブーでした。公共の電波を使っている以上、我々の存在価値はまず視聴者の方々に喜んでいただくコンテンツを制作することにありますし、考査基準のハードルも高いのでやみくもに商談先を広げるビジネスがなじまなかった背景もあり「自分たちはコンテンツをつくり、売るのは広告会社さんに任せる」という明確な役割分担が業界慣習になっていました。
「直販なんてうまくいかない」という考えが社内でも大勢を占めていたので、最初は懐疑的な反応でしたね。