スタートアップでぶつかった「信用の壁」
──福島さんのこれまでのキャリアと、現在のサイキンソーでの役割についてお聞かせください。
大手製薬メーカーのOTC医薬品(一般用医薬品)の営業としてキャリアをスタートし、全国展開するスーパーマーケットやドラッグストアの本部バイヤー部門との商談を中心に、エンタープライズセールスを担当しました。
その後、商品企画、事業戦略、海外市場開拓と経験を重ねるうちに「予防・セルフメディケーション分野で商品開発に携わりたい」という思いが強くなり、社内の新規事業企画に参加。新規サプリメント開発の協業先を探していたときに出会ったのが、サイキンソーです。
商談の過程で、腸内フローラ検査を活用してさまざまな大手企業と協業し、新たなプロダクト開発を担うサイキンソーの事業に関心を抱き、2019年に事業開発としてジョインしました。
──前職での新たなチャレンジがきっかけで、サイキンソーと出会ったんですね。サイキンソーは腸内フローラに関する事業を展開していますが、とくに法人向け事業では、どのようなサービスを提供されているのですか?
法人向け事業では、「サイキンソーリサーチ」という研究支援サービスを主軸に展開しています。たとえば、新商品の腸内環境への効果を検証したり、腸内フローラのデータを活用したコンサルティングといった形で協業しています。大手企業の研究開発部門やアカデミア領域が主なお客様ですね。
加えて、企業の商品開発をサポートするOEM事業も行っています。たとえば、個々の腸内環境に合わせて商品をレコメンドする検査サービスを設計するなどの形で協業しています。このリサーチ事業とOEM事業を含むディビジョンのリーダーを私が担い、約10名の営業組織を率いています。
──前職の大手製薬メーカーは、誰もが知っているような製品を展開するトラディショナルな企業だったそうですね。そうした環境からスタートアップ企業であるサイキンソーへジョインし、エンタープライズセールスに挑む中で、どのような違いを感じましたか?
前職では、長年の歴史とブランド認知があるため、既存取引先への新商品導入は比較的スムーズでした。しかし、サイキンソーに入社してからは、まず新規導入の際に「会社の信用」をゼロから築く必要がありました。そもそも「腸内フローラ」自体の認知度もまだ浅く、新しい世界を切り開いていくおもしろさと難しさ、両方を感じましたね。

