2期連続で売上高150%を達成 フロー型ビジネスの「ストック化」へ
──技術営業がアップセル/クロスセルを提案するためには、膨大な検査データから必要な情報をいかにすばやく、的確にピックアップできるかが鍵となりそうですね。そうしたデータ活用の側面でも、何か工夫をしているのでしょうか?
毎日、事業創出ユニットと技術営業、そしてデータ作成・管理をしているエンジニアメンバーが参加する15~20分の短いミーティングを設けています。この場で、営業メンバーが日々行っている商談内容や相談事項をキャッチアップしてもらい、「このサプリメントを飲んでいる人のデータは何件あるか」「その腸内細菌の特徴はどうか」といったマニアックな質問に即座にデータで回答してもらいます。
日々の商談記録に加えて、会議の内容もその場でSFAに入力するので、営業データの蓄積という点でもこのミーティングは効果的ですね。これにより、商談準備や提案内容をスピーディにカスタマイズし、顧客の興味を喚起できるよう努めています。

──技術営業ユニット・データエンジニアチームとの連携を経て、現在、どのような成果が得られていますか?
技術営業ユニット・データエンジニアチームとの連携体制を強化したことで、1社あたりの年間取引額が、数百万円規模から1,000万円~2,000万円規模へと大きく拡大した事例も出てきました。その結果、売上高は2期連続で150%以上を達成しています。
定性的な成果としては、フロー型ビジネスのストック化に成功しつつあります。たとえばある調味料メーカーでは、当初、既存のサービスメニューだけでは予算獲得まで至りませんでした。そこで、技術営業メンバーがお客様の研究開発部門の担当者と直接対話し、要望に沿うようにサービスメニューと価格をカスタマイズしました。具体的には、統計解析の内容に優先順位をつけ、不要な部分を削ることでコストを最適化し、その分を継続的なデータ取得とコンサルティングに充てるという提案です。
この提案により毎月コンサルティングを行うことで、単発のデータ販売で終わることなく、年間でのリテンションモデルを形成できました。これは、技術営業が試験設計、統計手法といった専門的な知見を持つコンサルタントとして同席したことで、先方の研究開発部門の課題や要望を高い解像度で理解し、お客様のニーズに合わせた価値を提供できたことが成功要因です。現在、この成功事例をサービスモデルとして横展開しています。
