ベクトルのグループ会社である、アップグレードは、トップセールスパーソンの思考とスキルを学習したAIを相手に、営業ロールプレイングと、客観的なフィードバックを受けることが可能になる受託開発サービス「商談ロープレAI」を正式リリースした。

背景

ロールプレイング(ロープレ)は、営業担当者の育成に不可欠なトレーニング手法だが、従来の方法にはさまざまな課題があった。
- 教育リソースの限界:上司や先輩社員が多忙で、ロープレに十分な時間を確保できない。
- 評価の属人化:フィードバックが指導者個人の経験や感覚に依存し、客観性や一貫性に欠ける。
- 心理的安全性:上司や同僚が相手の場合、心理的障壁などから、本番さながらの緊張感で実践的な練習がしにくい。
アップグレードは、これらの課題が、新人担当者が自信を持って商談に臨むことを妨げ、成長スピードを鈍化させる一因となると考え、本サービスのリリースに至った。
概要


商談ロープレAIは、営業担当者育成におけるロープレに関する従来の課題をAI技術で解決する、営業トレーニングソリューション。ユーザーはAIが扮するさまざまな業界・役職の顧客を相手に、商談シミュレーションを体験することが可能になる。トレーニング後は、AIに事前学習させたトップセールスの評価基準に基づいた、多角的かつ客観的なフィードバックを受け取ることができるようになる。
利用フロー
- シナリオ設定:担当者名、顧客の会社名や役職、商談の目的など、ロープレに必要な基本情報を入力
- AIとロープレ:設定に基づき、AI顧客との対話形式(タイピング入力と音声入力のふたつに対応)で商談ロープレを開始
- フィードバック:ロープレ終了後、AIが商談内容を分析。6つの評価軸に基づき、定量的スコアと具体的な改善点を提示する
6つの評価軸
本サービスのフィードバックは、トップセールスに共通する次の6つのコアスキルに基づき、客観的かつ具体的に行われる。
- ヒアリング力(課題発見スキル):顧客の真の課題を深掘りできているか
- 提案力(価値訴求スキル):顧客課題に即したメリットや効果を伝えられているか
- 信頼関係構築(ラポール形成):相手目線で共感を示し、ていねいな対話ができているか
- クロージング力:次のアクションを明確にし、顧客の意思決定を自然に後押しできているか
- 対話の構造化・流れ:商談全体の構成がスムーズで、論理的かつ簡潔に伝えられているか
- リアクション対応(イレギュラー対応力):顧客の予期せぬ質問や反論に、冷静かつ柔軟に対応できているか
想定する利点
- 新人営業の早期戦力化:実践的な練習が可能。成功体験を早期に積み重ね、自信を持って独り立ちが可能になる
- 営業スキルの標準化と組織力向上:組織全体で「売れる営業の型」を共有し、個人の能力差に依存しない、標準化されたレベルの営業力が可能になる
- 教育コストの最適化:指導者の時間的負担を削減し、より戦略的な業務に集中できる