ソニーネットワークコミュニケーションズは、AIを活用して組織内に点在する知見と人材を有機的につなぎ、組織の境界を越えた協働を促進するAIナレッジプラットフォーム「Shpica(シュピカ)」を開発し、申し込みを受け付け、10月1日より提供を開始する。

提供の背景
昨今、労働人口の減少や中途採用比率の高まりにより、従業員がもつ知識やノウハウ、人脈といった組織の知的資産の活用と人的ネットワークを維持することが重要な経営課題となっている。
しかし、さまざまな現場では「業務課題に直面した際に組織のナレッジを活かせていない・相談先が見つからない」「ベテラン社員の退職により組織からノウハウが消失してしまった」という課題が見られる。
さまざまなツール上に大量の情報が蓄積されているにもかかわらず、日々更新される膨大な情報の中から、本当に必要な知見や相談相手を見つけ出すことは困難である。結果として、組織内に存在する貴重な知識や経験が十分に活用されず、同様の課題に対する重複した取り組みや過去の失敗の繰り返しといった非効率が生じている。
ソニーネットワークコミュニケーションズはこのような課題を解決するため、AIが組織内の知見と人をつなぎ合わせ、従業員1人ひとりに適した情報や社内の専門家を届ける、人とAIの協働をコンセプトとした新たなナレッジプラットフォームの開発に至った。
本サービスのPoCを実施した広告メディア企業の開発部門(約100名)においては、次の実績が報告されている。
- 導入開始から3ヵ月で約500件のナレッジを蓄積
- 1日のアクティブ利用率が40%を超え組織に貢献
- 「社員の相互理解が深まり、部門を超えた協働が活発化した」という声が寄せられる
主な特徴(機能は順次リリース予定。一部技術については特許出願中)
1.AI Ask Searchー質問するだけで組織の叡智にアクセス

自然言語での質問に対し、AIがテキストや画像、PDFといった組織内のさまざまな情報源と連携し、情報を横断的に検索。関連するナレッジと社内の専門家を提示する。
2.Knowledge Converterーさまざまなファイルを「組織知」に変換

ナレッジやファイルの内容をAIが自動で分析し、関連するナレッジをリンクさせ情報を分類することで情報を構造化して管理することができる。過去の資料や会議の議事録も、検索可能な組織知として蓄積される。
また、ファイルデータをアップロードするだけでAIが自動でナレッジを作成する。文章の校正や不足している情報の補足もできるため、ナレッジの作成工程を削減する。
3.Expert Finderー社内の隠れた専門家を発見

従業員のスキルや経験、投稿したナレッジ・コメントといったプラットフォーム上のさまざまなデータをAIが分析し、各分野の専門家を特定する。個人の人脈に頼ることなく、もっとも適した人材にアクセスし、質問やアドバイスを求めることができる。これにより、情報収集の効率化や組織内の協働に寄与する。
4.Personalized Broadcastー必要な知識を配信

新しいナレッジが投稿されると、関心がありそうな従業員に対して自動でメッセージを配信。従業員1人ひとりの関心に合わせて新着情報を知らせる。これにより、関連性の高いナレッジの見逃しを防ぎ、ナレッジの活用や新たなアイデア・コラボレーションの創出を促進する。